「ルナティック通信」-1999.Vol.12

「ルナティックはいつまで続く?」 橋本達也

 いろいろな人に、このまま不入りが続くとルナティックはなくなるともらして きた。心配させてもっと見に来てもらおうと思ったのだが、入りは変わらず、閉 館の噂だけが広まった。でもルナティックはまだまだ潰れません。「バッファロー’ 66」のヒットのおかげで、少なくとも2000年一杯は大丈夫です。それから 先のことは次のヒット作が出るまでわからないけれど。
 もちろんお客には入って欲しいけれど、入らないとわかっていても見たい映画 は上映したい。ルナティックの存在理由はその一点にあるのだから。
 2000年に上映したい映画! 市川雷蔵、中平康、マキノ雅広、川島雄三、 大島渚


「日本映画ファン倍増計画 私が見た愛しい映画人たち」(序) by助っ人T

 ’96年2月、ルナティックで塚本晋也監督の「東京フィスト」を観た私は、 ガツンと頭を殴られたような衝撃を受けた。「君は自分の人生を本当に生きてい るのか? 生きながら死んでいるんじゃないか?」そう問われたような気がした。
 なぜそう思ったのか、後日来館された塚本監督ご本人にお会いし、謎がとけた。 監督は自分の映画に深いこだわりを持ち、映画のために全人生を注いでいる人だっ た。それが温和な表情と語り口から伝わり、彼の精神が作品に脈々と流れている のだと分かったのだ。私はこんな映画に出会えたことに感謝し、字幕ではなく、 同じ言語、日本語で観られる幸せをつくづく感じた。その年の日本映画は面白かっ た。是枝監督の「幻の光」、橋口監督の「渚のシンドバット」、北野武の「キッズ ・リターン」、市川準の「トキワ荘の青春」…。日本人の私が今、感じている空気 が見事に描かれていた。洋画にはない感触が、そこには確実にあるのだった。そ の後、仕事や単なるミーハーなイベント参加などで多くの映画監督に長時間また は一瞬お会いする機会を得た。大木裕之、石井聰亙、岩井俊二、黒沢清、三池崇 史監督などなど。みんな映画に対するものすごい情熱を心の中で密かに燃やして おられるようだった。これから、私がかいま見たエピソードなどを紙面を借りて ご紹介できればと思っております。日本映画は面白い! そう思って下さる方が ひとりでも増えることを願いつつ…。
 


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