「ルナティック通信」-2000.Vol.3

日本映画ファン倍増計画 -私が見た愛しい映画人たち-3」 by助っ人T

98年3月、神戸のアートビレッジセンターで塚本晋也監督の特集上映があった。まも なく公開の最新作「BULLET BALLET/バレット・バレエ」の音入れの最 中にも関わらず、塚本監督ご本人も来場。くたくたに疲れた顔で「(バレット・バレ エ)面白いですよ」と不敵な笑みを浮かべていた。私は打ち上げに潜入し、久々に ゆっくりお話することができた。映画評論家のH氏も交え、映画話に花が咲いたのだ が、塚本監督が特に力をこめて語っていたのが三池監督と、もうすぐ「ガラスの脳」 が公開される中田秀夫監督のことだった。ちょうど「リング」「らせん」が公開中 で、H氏と2人で「あれ(リング)はすごい!」と興奮気味に語っていた塚本さんが 一言「中田さん絶対バチがあたるよ」と言ったのにはウケてしまった。なんでも「妖 怪ハンター/ヒルコ」の時は沢田研二さんがすごく怖がりで、撮影所とロケ現場(富 山)と計2回も御払いしてもらったという。それにホラーものを撮るとき、「ここま ではやっちゃいかんだろう」という境界線のようなものが心の中にあるそうで、「中 田さんは完全に超えてる」と言われるのだ。たしかに演じるのはあくまで俳優だか ら、あんまりにもエグいシーンは頼む監督も演じる俳優もつらいだろう。真田広之に 襲いかかる時の貞子のあの“地獄のような姿”も俳優さんなしでは撮れないのだか ら。恐るべし中田秀夫監督。ちなみに昔のTVドラマで、ビデオにもなってる「呪死 霊」と劇場デビュー作「女優霊」もハンパじゃなく怖いです。そんなホラー専門かに 見える中田監督が本当に撮りたいのが実はラブ・ストーリーらしい。3月25日公開の 「ガラスの脳」は手塚治虫原作のマンガを映画化した念願のラブ・ストーリー。怖い もの知らずの中田監督がどう料理したか…ルナティックでぜひ確かめてほしい。


編集後記

 先日初めてHP「不器男のシネマページ」を拝見し、自分の拙い文章が載っているのにびっくり。ルナティックの上映作品もももきちん紹介しておられ、感激しました。インターネットをやる方はこちらの掲示板に観た映画の感想など書き込んでいただくと嬉しいです。この紙面でもご紹介できればと思っています。
 また、2月12日から「ミニシアター・パラダイス」というHPでもルナティックの上映作品を紹介してくれるようになりました。「不器男....」と合わせてぜひアクセスしてみてください。


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