Mac自作(DT266改造)ページ

  
正面 内部 背面

1.はじめに
 Macの改造はwindowsマシンに比べると、自由度が狭い。といっても改造に走る人は少なくない。私もこれは性分というのだろうか、色々やってきた。
 最初に買ったLC630は6100のロジックボードを購入してPowerPC化し、次に購入した7500は8500の筐体に載せ換えタワー化した。一緒にG3カードを手に入れG3化も果たした。
 しかし、このマシンではOSXが動かないことを知り、OSX_10.1の発売を機にDT266をオークションで購入した。しかし、このマシンのCPUのクロックアップには、CPUファンの設置と筐体内部の余裕を図り、トータルな温度管理が必要なことを知らされた。
 そこで無謀にもPCケースへの移植を試みることになった。


2.準備するもの
1.ケース
 ミドルタワーATX規格のもの。ロジックボード(マザーボード)を取り付けるボードがケース本体から脱着可能なものを選んだ方が良い(写真1参照)。良いというより必須条件かもしれない。ロジックボードは、スペーサー(写真2参照)を介してケースに取り付けるのであるが、このスペーサーを取り付けるねじ穴をMacのロジックボードに合わせて空けなければならない。こういったボードの加工には、取り外しできるボードでないと、精密性を期待できない。
 また、まれにスペーサーがボードに直接加工されているものがあるが、これは絶対さけること。Macのロジックボードの配線部分に直接金属部分が接触することになり、ショートする。
 そして、出来ればケース前面にはFDDベゼルが初めから付いているものを選択したい。というのも、MacのFDDにはベゼルが付いていないので、ケース側に付いていないとむき出しになってかっこ悪いからである。
 しかし、なかなかベゼル付きで私の気に入ったケースが見付からなかったのとFDDは特に必要がないので、ベゼルなしのケースを私は購入した。定評のあるソンチアTQ-700MK3S(写真3参照)というケースである。

2.ロジックボード
 Gossamer(写真4参照)と呼ばれるDT266等に採用されているロジックボードである。このロジックボードの特徴は、ジャンパーピン(写真5参照)の設定でATX電源が使えることである。

3.CPU
 モトローラ製のPPC750(G3)/350MHz/1MB ZIFを別途購入した。このCPUは純正のものなので、GossamerのZIFソケットに刺すだけで特別な設定は必要ない。勿論OSXも動きます。

4.CPUファン
 DT266には金属クーラーしか付属していないので、私は、フィンに差し込めるタイプのCPUファンをパーツ店で購入した。

5.メモリー
 SD-RAM DIMM(PC100規格のもの)WINDOWS用のもので認識してくれます。256Mを3枚計768Mまで増設可能です。

6.各種ドライブ
 私は、DT266に付いていたCD-ROM,ZIP,FDD(緊急用に外付け)と30GのIDE仕様のHDD,4.3GのSCSI仕様のHDDを取り付けました。(写真6参照)
 Gossamerでは、OSXにおいて8Gの壁があること、IDEのマスター、スレーブの設定が出来ないので、手持ちのSCSI仕様のHDDを増設しました。

7.ケーブル
 DT266に付いていたものは古いので、改造を期に全て新しいものに変えようと思ったのですが、FDDケーブルはMac特有のものなので、DT266のものを流用しました。
 それとATA66/100仕様のIDEケーブルを購入してHDDに接続しようとしたのですが、ATA66/100のものは、コネクターは40ピンでも穴が一つだけ塞がれているので(写真7参照)、Gossamerには取り付けることが出来ませんでした。ここではたと気づきました。GossamerはATA66/100対応ではないのだと、そして調べてみると、ATA33対応でもないことが分かりました。
 ATAカードを購入しなければ、いくらCPUを早くしても限界があると気づかされ、またまた改造の虫が動き出したのでありました。

8.ねじ類
 これは、新品のケースを買えば付属してくるが、中古を購入したり付属していない場合は、パーツ店に行けばねじセット(写真8参照)が安く売っている。
 必要なものは、金属六角スペーサー、プラスチックスペーサー(写真9参照)。プラスチックスペーサーは、 六角スペーサーを取り付けることが出来る箇所が少ないので、下からの支えにします。それと、ボードとスペーサーを取り付けるねじと各種ドライブを取り付けるねじ。

9.工具
 電動ドリル、ドライバー、タップ及びタップハンドル(写真10参照)。タップとは、スペーサーを取り付ける穴にねじ溝を加工するもの、強力な料理用はさみ(ケースの金属部分を加工)、ペンチ。 


3.ケースの加工

1.取り付け位置合わせ(おおまか)
 Gossamer(ロジックボード)から、パーソナリティカード(スピーカーとマイク端子がついているカード)と電池を取り外し、PCIカードを1枚刺した状態で取り付け位置のおおまかな確認を行います。
 ロジックボードの取り扱い時には、静電気に十分注意が必要です。可能であれば、リストバンドの着用をお薦めします。リストバンドもパーツ店で入手可能です。私の場合、幸いにも友人からクラッシュしたGossamerを譲り受けたので、静電気の心配は無用でした。
 取り付け位置を確認しようとすると、ビデオ端子の部分が一番上のPCIスロットとの境界と干渉して外に出ないことが分かります。そこで、この境界部分を切除しなければならないのですが、ここで切除位置をマジックでマークします。

2.ビデオ端子と干渉する部分の切除
 1でマークした部分を切除します。(写真11参照)細い部分だけでなく写真11でいうと、左側の根元の部分もビデオ端子が出るように切除する必要があります。ここで注意すべきは、下の方まで切除しすぎないようにすることです。
 というのは、あとでパーソナリティカードを装着するため、上から2.3本目のPCIスロットの境界部分もすべて切除する必要がありますが、根元の部分は残しておく必要があります。パーソナリティカードを固定する時、この根元部分に穴をあけねじでカードを固定するからです。私の場合はカットしすぎて写真のとおり不細工なことになりました。
 カットする道具ですが、私の場合適当な道具がなかったので料理用の強力なハサミを使用しました。

3.取り付け位置合わせ(精密)
 ATXケース規格のケースには、ATX規格のマザーボードを取り付ける穴があいているけれども、ここに金属スペーサーを入れると、Gossamerの基盤配線と接触してショートしてしまうので、Gossamer用の穴をあけそこに金属スペーサーをいれる必要がある。
 Gossamerにも基盤配線がない穴(写真12参照)があるので、この位置に合わせてケースにもスペーサー取り付け用のねじ穴をあける必要がある。
 2で干渉部分を切除し、 Gossamerがケースに設置できるようになったので、PCIカードを一枚刺した状態で、正確に位置決めを行います。位置が決まったたら、穴からマジックでケースに印をつけます。
 5箇所の固定となるわけですが、これでは基盤の中央がたわむので、プラスチックスペーサーを使用します。この位置決めもここでしておいても良いでしょう。写真12の模式図でいうと、1.電源とFDコネクターの間、2.SCSIとADBコネクターの間、3.VIDEOコネクターの周辺の3箇所くらいで良いと思います。

4.ねじ穴をあけ、スペーサーを取り付ける
 ベースに印をつけたら、ケース本体からベースを取り外し、電動ドリルで穴をあけます。電動ドリルはベースに強く押しつけるようにして使います。そうしないと位置がずれてしまいます。テストをしてからこつをつかんでから本番にはいりましょう。位置がずれると、PCIカードが装着できなくなります。
 穴の大きさはスペーサーの大きさによりますが、標準は2.5mmの穴だと思います。
 次にタップで穴にねじ溝を施します。これも使い慣れていないとうまくできません。ただうまくできなくても心配ありません。その場合は穴を少し大きく空け、下からナットでスペーサーを固定するようにすれば良いわけです。
 写真12の模式図の赤丸の部分はプラスチックねじ(写真13参照)で固定するのでねじに合わせた大きさの穴をあけます。
 この工程で金属くずが多量にでますが、Gossamerをのせる前に完全に除去してください。ショートの原因になります。
 金属スペーサーとプラスチックスペーサーを取り付けます。(写真14参照)
 Gossamerを上にのせ穴の位置を確認します。位置が大きくずれているようなら再度穴空けを行う。


4.取り付け、設定

1.ロジックボード、CPUの取り付け
 ベースをケースに取り付け、Gossamerをベースにねじで固定する。5つのねじを少しづつ締めていき最後に強くしめる。
 Gossamerの取り付けが完了したら、CPUをZIFソケットに取り付け、CPUクーラーも取り付ける。この時右上の取り付けねじとCPUクーラーをつなぎアースをとる。(写真15参照)
 その後、CPUファンを取り付ける。電源をつなぐのもお忘れ無く。 

2.電源コネクターの接続、ドライブ類の取り付け
 ATX電源コネクターを接続する。奥までしっかりと押し込む。この段階で、Gossamerのジャンパーピン設定で、ATX電源に切り替えよう。
 次にドライブ類を取り付け、Gossamerとケーブルでつなぎます。万一のことを考えてドライブは必要最小限つまりCD-ROMだけにする方法もある。私の場合面倒なので、すべて接続した。

3.電源スイッチ等の配線接続
 最後に、電源スイッチ、LED、内部スピーカーの配線接続を行う。(写真16参照)
 写真16でいうと、右下隅3つのコネクターがそれぞれ、上から電源、スピーカー、LEDとなっています。ATX付属する配線につなぐ訳ですが、電源スイッチ以外はコネクターの形状が違っているためATXのものは使えません。私は、DT266についていたスピーカーとLEDのコネクターを流用しました。
 問題はどのようにつなぐかですが、GossamerをDT266から取り外す時、私は配線図を作っておきました。それを参考に線の色を確かめてつなぎました。
 電源は、上が赤、中が黒です。一番下はつなぐ必要ありません。ATX側も2本の赤黒線なので迷うことはないと思います。
 スピーカーはGossamer側は黒・黒ですが、ATX側は赤・黒となっていますが、どちらでも支障ないと思います。
 LEDはGossamer側は4ピンですが、使用するのは一番上と一番下の2ピンです。上が赤、下が黒となっています。ATX側は緑と黒だったので、私は赤と緑を、黒と黒をつなぎました。

4.クロック設定 
 私の購入したCPUは350MHzで動作するものであったが、ノーマルでは寂しいので400MHz動作に変更した。その設定はここのページにあります。


参考にしたページ
パソコンのページに戻る
不器男のホームページに戻る
inserted by FC2 system