赤いポスト

  
 写真は市内の某病院玄関前に現在も残っている郵便ポスト。ハガキが5円くらいの時だろうか。

 私が子供の頃には町内会単位で必ず1件は八百屋があった。今で言うコンビニのようなもので、何でも揃っていた。我が家の1軒おいて隣にも八百屋さんがあって毎日のように買い物に行っていた。通い帳のようなものがあって現金を払うことはなかった。

 でもこの八百屋さんには切手が売ってなかった。切手が必要な時には、隣の唐人町の八百屋が切手を扱っていたのでそこによくお使いにやられた。その八百屋の前に写真と同じ赤いポストが立っていた。

 この唐人町の八百屋はしっかり者のおばさんが切り盛りしていたが、おじさんの方は子供の私から見てもたよりなかった。いつも切手を買いにいくとそのおじさんが相手をしてくれるのだけど、勘定を間違いそうで、きがきでなかった。

 この八百屋は季節になると、どじょうも売っていた。何故魚屋じゃなくて八百屋でどじょうを売っているんだと母に聞くと、どじょうはたんぼで採れるものだからと説明してくれた。

 そう、八百屋では売ってなかったのは魚。魚は自転車に乗った行商のおじさんが毎日のようにやって来ていた。このおじさん「めんどかれい」をよく売ってました。それにしても、夏場自転車で魚市場からどんな風にして運んでいたのだろう。

 金魚売り、竹竿売り、パットライス売り等々色んな行商の人がやって来ていた。もう彼らはやってこない。

 2軒の八百屋も廃業してます。隣の八百屋のおばさんは結婚式にも出席してくれたっけ。

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