道後動物園・道後公園&温泉

写真1
写真1はたぶん昭和30年代の道後公園駅。愛媛県立道後動物園は道後公園の南側に昭和28年の創立された。私が物心が付く頃には既に存在していた。以来、小学校の遠足や写生大会、家族での花見などで幾度となく行ったものだ。当時市内電車の道後公園駅は片側にしか安全地帯がなく、電車で行く場合ちょっと怖いなと子供心にも思っていた。
写真2 道後動物園入口
写真3
写真3は、入口を入ると、おおきなドーム状の水鳥など無数の野鳥の飛び交う金網で作られた鳥舎である。子供にとっては空まで届くような高さで圧倒していた。そしてその近くにアシカの泳ぐプールがあり、間近にプール内を周遊するアシカを飽き見せずずっと見続けていた。
 後年、近くにダチョウの飼育舎が出来たが、あまり興味を示さなかった。このあたりから、右手の堀側に猛禽類の飼育舎が並び、動物園のメインのはずのライオンやトラが飼育されていたと思うのだが、なぜか記憶が明確でない。左手の山側には、ペンギン舎や、日本カワウソの飼育舎があった。ただ、日本カワウソを見た記憶がない。
 堀側の猛禽類の飼育舎を進むと、途中に遊園地にあるような回転する遊具(メリーゴーランド?飛行機)があったが親に乗せてもらった記憶はない。
写真4
写真4は、動物園の奥まった所に設置されたに象舎とキリン舎。象の「花子と太郎」が印象に強く残っている。キリンも2頭飼育されていたが、名前を思い出せない。
 公園の東端の出口前には何故かプールが設置されていて夏になると子供たちが水浴びをして遊んでいたが、「あそこのプールは子供がプール内でおしっこをするので臭い」と言われていて、私は一度も利用した事がなかった。プールの奥には出口があり、そこを出ると大きな広場が広がっていて、桜の時期には花見客で賑わっていた(今でもそうだが)。
写真5
 動物園は道後公園の3分の一くらいの面積であとは周囲が堀に囲まれたかつての湯月城があった小高い山城の名残を残す史跡公園だった。丘の上には展望台(写真5)があり、動物園の帰りにはよく登って松山の市街を眺めたものだ。中学生にもなると動物園には行かず、公園を一人であるいは友人と散策をして展望台まで登った記憶がある。あの頃友人と何を話していたのだろう?
写真6
写真7
 現在子規記念博物館になっている所に「新温泉」(写真6)という外湯があったと思う。道後温泉本館以外には、「椿湯」と「新温泉」があった。「椿湯」(写真7)は昭和28年に新設されたもの。現在の椿湯は、昭和59年に改築されたものである。以前の椿湯には小学生〜中学生の頃に入った記憶があるが、現在の椿湯には入った事がない。また「新温泉」は建物の記憶がかすかに残っている程度でこの温泉にも入った思い出はない。
写真8
 写真8の奥に見えるのが新温泉だと思う。そして右手には堀に囲まれた道後公園。私の記憶ではこの堀の端に堀に浮かぶような舟形の料亭があったように記憶しているのだがどうだろう。子供の頃、道後の老舗旅館「ふなや」はここかなと勘違いしていて、天皇陛下がこんな所に泊まるのだろうかと訝しく思った記憶がある。
 当時の道後は(今でもそうかな)、どこか非日常の風景として存在していた。しかし、中学校の同級生の親が道後で旅館をしていたせいもあって、「非日常」のディープな世界にたまに足を踏み入れていた。現在イタリア料理店のある場所にあった釣り堀や、道後の場末bar街の中にある玉突き場や、射的場などに友人に連れられて出入りしていた。友人は場馴れしているので私もどきどきする事はなかった。
 今は道後の温泉街がすっかり洗練されてしまって、かつての非日常の異空間、そして場末感がなくなってしまった。

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