「生きぬけ。ブタになっても生きぬけ。生きぬけ。牛馬になっても生きぬけ」 「芙蓉鎮」より



 文革の最中、五悪分子の烙印を押された胡玉音と秦書田。二人に課せられた罰は早朝の石畳の掃除。玉音は次第に秦書田の優しさにひかれてゆき、一緒に住むようになるが、五悪分子に結婚は許されない。それどころか、公開裁判にかけられ、二人は引き離される。その公開裁判の壇上で、玉音に秦書田が語る言葉が冒頭のセリフである。

 重い言葉である。当時を生きた多くの中国人には共通の思いと聞くが、我々がこの言葉を理解するには、歴史的想像力を要求される。映画「芙蓉鎮」は、その理解を助けてくれる。なぜなら、「芙蓉鎮」は文化大革命の時代をありのまま描き出しており、このセリフが映画の中で全く違和感を感じさせないのである。


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