741. 『スパイダー - 少年は蜘蛛にキスをする- 』 ヒカル一平  2003/04/12 (土) 17:07
うーん。これはあまりにも素晴らしい出来だ。クローネンバーグがこれほどまでのカントクとは正直予想だにしてなかった。久々に★★★★★の映画を観た幸福感に浸っている。おそらく、今年愛媛で上映された映画の中で白眉。4月18日までの上映らしいのでみなさんぜひご覧あれ。

>NMGさんへ
『水の女』は観逃してしまいました。すみません。予告編で「水」「火」「風」「土」と出てきたので、昔読んだガストン・パシュラールを思い出したりはしました。



740. やっぱりオダギリジョー? anchor  2003/04/10 (木) 02:00
彼の悩み方が凄くリアルだった。

不器用だけど、判らない事は、ただ追求して・・・

一つ一つ必ず自分のモノにしていく。

そうゆう、物事の理解の仕方かな?

かつての俺がそうであったように・・・

少し昔を思い出した・・・




739. 判り合えない事実 anchor  2003/04/10 (木) 00:18
人間は、判り合えない事実がある。

オシボリ工場の中間管理職と、若い二人。

判り合えるハズもないのに、クソむかつく笑顔で近付いて来る。

体裁だけ装って、判っている風な口をきく大人。

あーゆー大人には、俺も殺意が芽生えます。

判り合えない事実を認めようとせず、作り笑顔ばかりの大人には。



738. 『アカルイミライ』 ヒカル一平  2003/04/09 (水) 17:19
--- 映画の内容に触れていますので未見の方はご注意を ---

この映画のオープニングシーン・・・ゲーセンでひとりゲームに興じるオダギリジョーのモノローグ「最近未来の夢を見なくなった」・・・に生理的に嫌悪感にも近い違和感を抱いたのは自分だけだろうか。まるで映画の世界に入って行くことを拒絶されたような疎外感にそのあとずっと付きまとわれ、今でも自分はこの映画の入り口で立ち止まったまま映画を観終わったような奇妙な感覚に捕らわれている。たぶんそれはデジタルカメラの画面の粗い質感から来る違和感と一体化しているのであろうけれど、しかし 、あのオープニングでは何か映画から遠ざかった地点でひとりオダギリジョーがいるように思えて仕方がないのだ。それはまた、例えば2度ほど挿入されるボーリングシーンにも言える。前後のシェークエンスに繋がりがなく、シーン自体が孤立化し機能していないのではないかと。うーん。このカントクは余程傲慢(ごうまん)ではないのかと疑ってしまった。果たしてこの映画にはある種の誠実さが欠けていないだろうか。クラゲの繁殖がビジュアル(映像)として映画的に考えられていはするが、それとて貧しいイメージだ。メタファーだかオブジェだか知らないけれど、クラゲの意味するところなど自分には全く興味はない 。そのクラゲがラストで街を闊歩する若者たちといかにダブって見えようとも 。それに、藤竜也が「きみたち全部を許す」と大仰な演技で叫んでも残念ながら胸に響いてくるものなど自分にはなかった。「許す」行為はむしろ悲痛なほどの沈黙を強いるものだし、そんな街頭演説のような「言葉」など信じられようハズもない。うーん。そのような点から見ても、この映画には基本的な誠実さが欠けているように思えて仕方ない。これに比べたら愚直な映画『OKITE -やくざの詩-』のほうがまだましだ。『アカルイミライ』か・・・誰がつけたのか、なんて不遜(ふそん )なタイトルだろう・・・(以上、あくまで私見です)。



737. アカルイミライ最高! anchor  2003/04/09 (水) 01:26
生きるとは?
人間とは?
問い続けても答えは見つからないまま・・・
ただ・・・毎日が過ぎてゆく
働いて 食って 寝る

不器用過ぎて 繊細すぎて 社会に適応できず

ドロップアウトした

でも、アカルイミライは自分で作っていかなきゃ!

今は、行っけぇえええ!!です



736. 『アカルイミライ』のために。 ピノコ  2003/04/07 (月) 23:05
藤竜也、かっこいいなあ。
わたしも「許し」たい!・・・でもまだまだ修業が足りん。



735. 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(ネタばれ注意) NMG  2003/04/05 (土) 14:09
映画作品の良し悪しを決めるのは、結局その終わり方なのだと思う私は、この映画の終わり方が気に入らない。具体的には、主人公が捕まって以降の話を中途半端に長々とやっているのが気に入らない。加えて、そんな長々の後に字幕の説明で彼のその後を語る始末には、白ける。

主人公が母の家の前で逮捕されるシーンでエンドロールにすべきであった(上映時間を考えてもその辺がベスト)。それができなかったのは、やはり主人公が実在しかも存命の人物であるからか。

さて、私は“酷評”した「水の女」が今日からルナティックで公開のようですが、松山にいる人々はどのように評価されるのでしょうか?



734. ごちそうさま。 ピノコ  2003/03/31 (月) 19:17
タムタムさん
『ディナーラッシュ』よかったですよね〜。さまざまな国籍の魅力的な従業員たち、いかにもスノッブな客の面々には笑うし、あっと驚くラストのカタルシス。ダニー・アイエロもあいかわらずしぶいし。ちょっと前に上映した『モンスーン・ウェディング』がこれに近い観後感だったかな。とてもかわいいインド映画でした。『ディナ〜』はイタリアン・・・しかし観たあと猛烈におなかがすいて困った。



733. ディナーラッシュ タムタム  2003/03/23 (日) 22:57
ディナーラッシュ、、DVDで観ようと思っていたら、なんと!ルナティックで上映していることを知り、急いで観にいきました。いやぁー、スクリーンで観ることができてよかったー。あの調理場の臨場感とか、熱気のようなモノをすごく感じることができました。それでかつ登場人物も、ひとりひとり個性的で、本当に最後まで目がはなせなかったし、ラストあたりは特に、、。あの映画が1週間の上映とは、なんとももったいない!と思うのですが、これもフィルム料、興行的な収益等を考えるとやむをえないのでしょうか?



732. 『戦場のピアニスト』 - 去勢されたポランスキー-  ヒカル一平  2003/03/19 (水) 16:12
--- 映画の内容に触れていますので未見の方はご注意を ---

見渡す限り廃墟と化したオープンセットのワルシャワの街をクレ ーンの上昇撮影で見せるワンシーン・ワンカットに、ポランスキ ーカントクの意地を見た。しかし、ストーリーが史実に基づいている分だけ、つまり主人公が逃げ延びたという事実があるだけに物語はやや予定調和的ではある。例えば、昔のポーランド映画ならば、ラストの主人公はドイツ将校のコートを着ていることで間違って射殺されていたに違いない。主人公が殺されていた方が、その後ドイツ将校の命乞いに戦争の不条理を重ねることができるからである。あるいは、自分ならばこうも考える。『戦場のピアニスト』という映画は寸止め(射精直前)にされた状態で終わってはいないかと。むしろ、この映画には終戦後、命を助けてくれたドイツ人将校を主人公が見つけ救いだそうと探し回るもう一つの映画が可能だ。しかし、ポランスキーカントクはその部分を切り捨ててしまっている。うーん。自分の言うところをまで含めると『ドクトルジバゴ』のような長大な映画になっってしまうのは事実なのだが。しかし、終戦後のあの二人の再会ないしはすれ違いこそが映画的ではないのか。「いまさら、デビット・リーンじ ゃあるまし」というプロデューサーたちの言葉が聞こえて来そうだ。だから、なおさら前述のクレーン撮影に一歩も引かぬポランスキーカントクの意地を感じたのかも知れない。ワンカットのためにあんな廃墟のオープンセットをいまどき作るなんて、『フルメタル・ジャケット』のキューブリックくらいのものだ。「カントクよ、このシーンにはCGを使いたいのじゃが」と老獪なプロデ ューサーは言ったに違いない。そこでポランスキーは妥協はしなかった。・・・ああ。このようにいくら自分の妄想を並べ立てても仕方ないが、やはり、字幕で処理されてしまった戦後の二人の過程に、本当のポランスキー映画が隠れているような気がしてならないのだ。



731. 『OKITE - やくざの詩-』- ああ、裏切りの季節 - ヒカル一平  2003/03/17 (月) 19:04
--- 映画の内容に触れていますので未見の方はご注意を ---

・・・かくして映画は始まった。いや・・・だが・・・うーん。取りあえず、いまは百歩譲ってそれを「エイガ」と呼んで置くことにする。なぜならば、今でも自分が観たものが一体何だったのか、定義できないからである。しかし、この「エイガ」の誕生に一体蜜月の期間(準備期間)はあったのだろうか。余程の遺伝子変異でもないかぎり、映画の場合はできたっちゃ結婚ではかわいい子供が生まれるわけがない。ロケーションすら真面目に行われていないと感じた。ああ。悪口を並べたら際限がないんだけど。無惨な脚本。スタッフの手抜き。映画音楽らしきもの・・・皆無に等しい。つまり、この「エイガ」には知恵や技術の結集といったものが一切見られないのだ。例えは悪いかも知れないけれど、誘発分娩で嫌々ながら生まれてきた赤ん坊(映画)のへその緒をスタッフみんなが切断してしまい瀕死の状態になって喘(あえ)いでいる「エイガ」。しかし、後半のアクションには新人カントクのかすかな産声が聞こえなかったわけではない。吉川晃司も悪くはない。
うーん。でも今時、あんなショボイ女優陣は・・・。しかも伊丹十三ばりにアップが多用されるものだから女優たちの肌のごまかしが効かず可哀想。某雑誌によると松方カントクはメキシコでの釣り大会に行く予定をキャンセルして映画製作に臨んだらしい。メキシコで大物が釣れたとしても、日本には雑魚(ざこ)しかいなかったようだ。そして、自分は自腹をきってそのボラの料理でも食わされたというわけか。うーん。それもたまには悪くはないだろう。(以上、すべて私見です)



730. 「船を降りたら彼女の島」 ネタばれ注意(?) NMG  2003/03/16 (日) 23:58
都内ただ一館、有楽町スバル座での公開は今週の木曜まで。ということで、見に行った。この機を逃しては、たとえビデオが出ようとも、絶対に見ないであろうことが予想せられたからである。

愛媛で生まれて愛媛で育った私のような者が見るとどうしてもバイアスがかかってしまうもので、贔屓の引き倒しになってしまうかも知れませんが、観光モノ(ストーリーを持ちながら観光名所を宣伝して回る類の映画・TVドラマに対して作った、私の勝手なジャンル。最近の映画では「ガウディ・アフタヌーン」など)にしては「上手い」と思う。

@ かなりあからさまな観光宣伝である。道後温泉本館・内子座・大山祗神社・別子銅山・しまなみ海道… 欲張りなほど、宣伝を詰め込んでいるのに、一つの映画として纏めている(それでもやっぱり、あの道後温泉は蛇足か)。

A 相当、言葉遣いに注意を払っていると見える。桑原和夫と林美智子の“夫婦漫才”など、語彙や抑揚だけに止まらず、会話のテンポまでも、現在的に愛媛に在り得べき夫婦像を作り出している。その中で主人公・久里子の台詞には時折微妙に標準語調の言葉遣いが混じる。「行ってこうわい」のぎこちなさと言い、「私が閉めてきます」と父に対して発する言葉と言い、東京に出て6〜7年を経た主人公の「故郷」からの距離を感じさせる。

一つ気に入らない点は、音楽が単調。メインテーマだか何だか知らないが、こと何かある度に同じメロディが入ってくるのは…言葉がキツイかも知れないが、“馬鹿の一つ覚え”。私はそう思う。



729. 『OKITE - やくざの詩 -』 - まるで万馬券のように - ヒカル一平  2003/03/14 (金) 16:25
この映画の企画がどのように立ち上がったのかは知らないが、松方弘樹(俳優)というおのこが初めて映画のメガホンを取ると聞いたとき、かつて北野武というおのこが処女作である『その男、凶暴につき』という映画を撮った頃の記憶が鮮やかに甦った。
つまり、「まるで万馬券のように誰からも期待されないところからとんでもない傑作が生まれてくるのではないか」という密かな希望と「その出産に立ち会いたい」という欲求である。
そのようなわけで、自分は松山CS6番館へと足を運んだのだった。そして、昨夜8時10分たったひとりの観客を相手に映画は始まった ・・・。
                       つづく。



728. カネのかかる生活の為に NMG  2003/03/11 (火) 10:33
気ままにして不自由な会社の寮を出て、独り暮らしを始めたまではいいが、当然ながら家計面で不自由し始めた。そこで、映画を見に行く回数を減らさねばなるまいと考え始めている。そしてレンタルビデオ/DVDの世話になることになろう。

で、私の東京レンタルビデオ生活第一弾(という程大袈裟なものではないが)は、コーエン兄弟。昨年、一昨年と『オー・ブラザー!』『バーバー』を見て、なかなか、古臭いような新しいような面白い(fanよりも寧ろinterest)映画作家がいるものだと…詰る所、私を急性映画鑑賞中毒に陥れた張本人。

『ファーゴ』と『ビッグ・リボウスキ』を借りてみた。星付けするなれば、『ファーゴ』が★、『ビッグ〜』が★★★(最高を星4つと想定している)。
前者は、サスペンスドラマの体を成しながら、サスペンスとしてみるとあまりに詰まらない(何ですか、あの“偶然犯人を発見しました”みたいな結末の付け方は)。犯人や捜査官の人間ドラマとして見るべきか、と思いつつ、そちらの面も消化不良な感じがする(あの日系人の話は何が言いたいのだ?)。
後者は、実のところ、私は未だ重要なところを理解できていない気がするのだけれども(例えば、語り手は何者?)、極端なくらいにハッキリと設定されたキャラクターによって、無茶苦茶なストーリーが堂々と構成されている。歌の下手な役者でも堂々と歌えば意外と聞けたりするように(変な例えだ)。
思えば、コーエン兄弟の作品は、キャラクター重視で作られているようだ。あんな奴とこんな奴が一緒に行動したらどうなるか― そこにこんな奴が現れて― といった作り方。そう考えると、ストーリーが行き当たりばったりに見えるのは仕方のないことかもしれない。



727. 『AIKI』 - まるでゲーテの・・・ - ヒカル一平  2003/02/17 (月) 17:43
--- 映画の内容に触れていますので未見の方はご注意を ---

正直ちょっと長かった。ちょっと長いのだが、よく出来ていた。天願大介カントクの構想10年という。なるほど、脚本に、演出に迷いを感じさせないワケだ。加えて配役のアンサンブルも素晴らしい。結果的に美味しいところ(某助演男優賞)を石橋凌が持っていったようだが、実はベテラン障害者を演じた火野正平こそがこの映画には不可欠の存在であったろう。火野正平の「俗」と石橋凌の「清」がこの映画のアンビバレンツを形成し、その中間で青年(斉藤晴彦)が成長していく。それと、もうひとつ見えにくいのだが、ともさかりえの「俗」と木内晶子(元カノ)の「清」も潜在的なアンビバレンツとなってはいないか。もちろん、青年の成長に性の目覚め(ともさかりえ )は欠かせない。ゲーテの『若きウェルテルの悩み』が物語の下敷きのひとつになっているのではないかとさえ思った。
しかし、特筆すべきは季以須の撮影であろう。このかつてエドワ ード・ヤンカントクの片腕であった季氏のカメラこそが見事な「AIKI(合気)」を発揮した 。つまり、異邦人の眼差しによって切り取られた日本の障害者と合気道。そして作品の根底には入念にリサーチされた日本人の脚本と演出があるといういわけだ。うーん。ウルフルズの主題歌が流れる余分なラストカットなど吹き飛ばして、余韻を重んじた編集で締めていれば作品観はもっとよかったであろうに。いや、これが障害を背負った青年の成長譚であるかぎりは、あのラストも許されようか。



726. 『黄泉がえり』 - 走り去るファンタジー - ヒカル一平  2003/01/29 (水) 18:07
---- 映画の内容に触れていますので未見の方はご注意を ----

死んだはずの人間が帰ってくる(=蘇り)ことをアクチャルに受け取れば北朝鮮の拉致問題とダブってくるのだが、そこまでの深読みは杞憂(きゆう)であった。心地よい映画音楽に乗せられ、なんて幸福な映画だろうと夢のようなひとときを途中まで過ごさせてもらっていた。特に手話で話す田中邦衛などは秀越なキャスティングと言ってよく、竹内結子とともに特筆すべき演技/演出であった。しかし、思うにいつも消えていくのはヒロインたちなのだ。昨年の『リターナー』でもヒロイン鈴木杏は金城武の目の前で透明となり消えていった。このような最近の日本映画に見られる同様のオチが大いに気にかかるのだ。今時のCG技術ならば女の子ひとりくらいなら簡単に消せるぞとばかりに。しかし、CGを駆使すればするほど「映画」は遠くに逃げていく。この『黄泉がえり』でも山奥で巨大な陥没地帯が発見されたCG映像あたりから、映画の雲行きはやや怪しくなってくる。東宝映画(例えば『ゴジラ』)ならではのテイストが混入してくるのだ。うーん。CGを一切使わない映画『黄泉がえり』が観たかった。それは可能ではなかったか。死んだはずの人間が帰ってくるという不可能性の跳躍(これを我々は拉致問題で初体験したばかりだ)と同時に、再び人が居なくなること、この世から姿を消すことの不可避性みたいなものをもっと強く感じさせてくれればよいのになと思った。だた、決して悪くはない映画であることは保証できるのだが。



725. 「黄泉がえり」 ※ネタばれ注意 NMG  2003/01/25 (土) 20:58
今まで塩田明彦監督の作品は「害虫」しか見ておらず、その時の私の第一印象は、「作品の出来はともかく、この監督は脚フェチ?」というあまりにも俗なものでございましたが、どうやら違うようで。

脚本は、何やら中盤のどんでん返しを目論んでいるようですが、これは失敗(どんでん返しとしては)。始めの方、私に「危ない」と思わせるまで映像を見せてしまったところで、ほぼバレてしまいました。

ストーリーの軸は平太(草なぎ剛)と葵(竹内結子)の二人にあるのですが、それ以外の「黄泉がえり」を経験した人々の群像劇としての部分、その間合い、話の繋げ方が素晴らしいと思いました。ただ、RUI(柴咲コウ。しかし、クレジットは飽くまで「RUI」)については、その存在自体に取ってつけたような感が拭えませんが…彼女も「黄泉がえり」ならあのコンサートはどんな顛末を迎えたのだろう、彼女はなぜ阿蘇で死んでいるのだろう、と不自然さは尽きません。

あと、監督は木下ほうかがお気に入りなのでしょうか。「害虫」でトラックの運転手を演じていた分には気になりませんでしたが、今回の役は…チョイ役なのに、ストーリーに絡まないのに、何でこんなに目立つ、いや、目立たせているのでしょうか。



724. Re: 「僕のスウィング」と「アカルイミライ」 ヒカル一平  2003/01/20 (月) 16:49
>「アカルイミライ」
> こちらも公開初日。渋谷シネ・アミューズは結構な混雑ぶりを
> 呈していた。

うーん。公開初日、とは羨ましいです。
しかし、映画って基本的にガラガラの映画館で観たい(笑)。

2月1日からユーロスペースで『青の稲妻』(ジャ・ジャンクーカントク)が公開されるはずです。前作『プラットホーム』を観てこのカントクの才能にはちょっと凄いものがあると思っています 。この春あたりにルナティックでも上映されるはず(?)なので楽しみにしています。もしこの映画を観られましたら、ご感想をお聴かせください。NMGさんが酷評された『水の女』は私も是非観てみたいと思っています。





723. Re: 「僕のスウィング」と「アカルイミライ」 ヒカル一平  2003/01/20 (月) 16:49
>「アカルイミライ」
> こちらも公開初日。渋谷シネ・アミューズは結構な混雑ぶりを
> 呈していた。

うーん。公開初日、とは羨ましいです。
しかし、映画って基本的にガラガラの映画館で観たい(笑)。

2月1日からユーロスペースで『青の稲妻』(ジャ・ジャンクーカントク)が公開されるはずです。前作『プラットホーム』を観てこのカントクの才能にはちょっと凄いものがあると思っています 。この春あたりにルナティックでも上映されるはず(?)なので楽しみにしています。もしこの映画を観られましたら、ご感想をお聴かせください。NMGさんが酷評された『水の女』は私も是非観てみたいと思っています。





722. 「僕のスウィング」と「アカルイミライ」 NMG  2003/01/18 (土) 22:55
1.「僕のスウィング」
 公開初日なのに、こんなに空いてていいのか、渋谷シネマライズ。
 どうも作品の焦点が定まらない。マックスとスウィングの小さな恋の物語が3分の1、ミラルド(チャボロ・シュミット)をはじめとしたマヌーシュ・スウィングの演奏が3分の1、ジプシーの生活、昔語りが3分の1。
 一括すれば、「異文化の接触と葛藤の中にみる夢の話」かもしれないけれども、如何せん振幅が激しい。小さな恋物語だけを取り出すとあまりにもアリキタリで、音楽の演奏だけを、或いは生活描写や昔語りだけを取り出しても映画になりにくい。それにしては、これらはバラバラに見える。

2.「アカルイミライ」
 こちらも公開初日。渋谷シネ・アミューズは結構な混雑ぶりを呈していた。ロビーからは人が溢れ、勿論満席。立見も結構いる状況。まあ、このクレジットに並ぶ名前から考えれば、東京でこの1館のみの上映というのは規模が小さすぎるのだが。
 黒沢清監督の映画はどういうものだ、と言える程監督作品を見ていないので(『ドレミファ娘の血は騒ぐ』『CURE』くらい)、ごく率直にこの映画の感想を言う。現実と幻想の境界線上を、観客が行き来しているような感じ。役者の言動はリアルに淡々と為されながら、演出や展開は…アカクラゲの大量発生シーンや、主人公2人のとんでもない貧乏衣装、ゲバラTシャツde宇宙人スタイル(?)な事務所荒らしなど…最早ファンタジイ。それはそれは、とてもヘンテコリンなものを見せられている筈なのに、観客の意識はそんなに理解に苦しむことなく本筋のリアリティに戻されていたりする。監督に上手いこと誘導されているような気がする。
 松山の公開は4月ということなので、ストーリーについては語るまい。ただ、この映画には、「曖昧な未来、黒沢清」が東京では2月についでのようにレイト公開される。「アカルイミライ」製作現場密着インタビュー・ドキュメンタリー映画。監督の意図も何もかも丸裸にされて松山公開になるのではないかという不安がある。それでは語る楽しみも解釈の楽しみも半減のような…。



721. アカルイ4月 ヒカル一平  2003/01/17 (金) 03:00
映画『アカルイミライ』(黒沢清カントク)のHPを見てみたら、
上映劇場紹介でシネマ・ルナティック 4/5〜4/11と書いてある。
ひたすら嬉しい。
だが、随分と先だ・・・(笑)。



720. 告知させて下さい WORLDSCOPE [URL]  2003/01/14 (火) 22:13
☆突然の書き込み失礼します。

ヒップな映画製作チーム「ワールドスコープ」ではこの度HPを開設致しました。お暇なら見てよね。
http://www.worldscope.jp

合わせて本HPにてガールズバンドのR&Rショートムービー「ROCK'NROLL SYNDICATE」を完全無料配信中!
刮目して観るべし!!



719. 黄金の眼に映るもの -追悼 深作欣ニ- ヒカル一平  2003/01/12 (日) 23:33
深作欣ニカントクが亡くなられた。享年72歳。
思えば寡作のカントクが多い日本では多産な映画作家だった。
それははたして幸福なことだったのだろうか。
個人的には『仁義なき戦い』シリーズよりも『仁義の墓場』を
名画座で観た衝撃が忘れられない。
昨年9.11同時多発テロをテーマに各国の映画作家が依頼されてオムニバス映画が作られた。我が国からは北野武カントクがスケジ ュールの都合でオファーを断り、結局今村昌平カントクが参加した。どのような映画になったかは知らないが、この企画を知ったとき、深作欣ニこそ選ばれるべき一人であると強く思った 。
9.11を素材にして「ノスタルジー」の作家など必要ない。「怒り 」の作家こそが望ましい。『BR』のような映画を遺作に他界した72歳の映画カントクなんてどこにもいないだろう。
しかし、「戦争の生き残り」としてカントクの最期の眼(カメラ
)に映ったのは終戦の廃墟だったのかもしれない・・・。



718. 暗闇の向こう側 ヒカル一平  2003/01/12 (日) 12:01
昨年の映画的事件の最たるものはシネリエンテがポール・シュレ ーダーカントクの『人妻』を突然上映したことだった。扇情的な邦題はさておいて、いまさらポール・シュレーダーの映画を上映するシネリエンテの勇気には感動した。
今年はどんな映画が待っているのだろうか。暗闇の向こうで。
気ままに今年観たい映画をあげてみると・・・。

■『ブラッドワーク』(クリント・イーストウッド)
近年イーストウッド映画は一服の清涼剤になりつつある。
■『6月の蛇』(塚本晋也)
今後10年間は塚本カントクのDecadeになるはずだ。
■『黄泉がえり』(塩田明彦)
塩田カントクのメジャーデビュー。どうぞコケませんように。
■『アカルイミライ』(黒沢清)
このカントクのホラー映画は大いに認めるだけに。
■『エルミタージュ幻想』(アレクサンドル・ソクーロフ)
今年こそはソクーロフに出会いたい。
以上だが、うーん。我ながらエンターテイメントに欠けている。



717. 謹賀新年 ヒカル一平  2003/01/01 (水) 18:19
新年明けましておめでとうございます。
今年がルナティックにとって良い年になるようみんなで応援しましょう。
近く上映される『さすらいのカウボーイ』は必見の名作ですよ!



716. 『ギャング オブ ニューヨーク』 ヒカル一平  2002/12/26 (木) 23:01
----- 映画の内容に触れていますのでご注意下さい ------

映画『ギャング オブ ニューヨーク』はスコセッシカントクが異国イタリアで映画と格闘しながら、元祖ニューヨーカーたちに捧げた過去形の愛の鎮魂歌であった。しかし、ここにはスコセッシ映画の常連であるデ・ニーロもジョー・ペシもいない。その代わりにレオナルド・ディカプリオとダニエル・デ・ルイスという、いかにも現代的な俳優が登用され、女優キャメロン・ディアスが華を添えている。この意味はさりげないが深くて大きい。つまり 、スコセッシカントクはディカプリオの身体の上において過去と現在のニューヨークを交錯させ連結させているのだ。・・・ネイティブと移民の対決も最後には必然的に時代の激流に呑(の)み込まれ、彼らの小世界での怨恨など時代の砲弾によって粉みじんに吹き飛ばされてしまう・・・そして彼らのことは皆忘れ去られ 、埋葬された墓すら時代(とき)という雑草の下に消滅してしまう・・・。この映画を観終わると去年の9.11同時多発テロすらが100年後のニューヨークでは記憶の残骸と化すかも知れないと思う。いや、日本人たる我々すらが1945年8月6日広島に落とされた原爆の悲劇をすでに記憶のDNAから消去してしまっているではないか。格闘シーンの凄まじいモンタージュ(編集)。胸高まるサウンドの果てに開け放たれた扉の向こうに突然出現する白銀の雪景色。動物園の檻から逃げ出した象が道を横切るフェリーニ的シーン。見せ場は盛り沢山だ。しかし、なぜかキャメロン・ディアスが登場するやこの映画は輝きをひとつ失った。映画『タイタニック』に影響されたでもあるまいにスコセッシカントクは「運命の恋」の要素を盛り込んでしまう。そこで映画は躓(つまず)いた 。残念ではある。もっと復讐の憎しみが溢れた映画であればよか った。否。あまりにも安易にこの映画を失敗作と呼ぶのを止めよう。一体、スコセッシカントクは成功作を作ろうとしたのであろうか。レオナルド・ディカプリオの起用を決心した段階でスコセ ッシカントクは「傑作」を放棄したはずだ。しかし、ディカプリオの起用ならでは巨額の製作費が獲得出来たのに違いない。失ったものが大きいぶんだけ、この映画はスケールを獲得したのだ。そういう意味で2002年の年の暮れにいかにも相応(ふさわ)しい映画であった。





715. デジタルシネマ情報サイト やまざきたかよし [URL]  2002/12/23 (月) 14:48
失礼いたします。少し宣伝させてください。
書き込みの内容が不適当な場合は、
お手数ですが削除をお願いいたします。

2002年7月に映像専門のポータルサイト「NIZOO」を立ち上げました。
映像制作の為に役立つ情報てんこ盛りです。
きっとお役に立てる情報があると思います。

更に、11/15より「NIZOO label」サイトを公開しました。
「nizoo」オリジナル作品のご紹介や関連情報をアップし
皆様方が楽しめるサイトとして運営して行きますので、
是非一度お立ち寄り下さい。
http://www.nizoo.com

また、「NIZOO label」第1弾作品「FROGS」がでKDDIのブロードバンドサイト
「111.tv」にて好評配信中です。こちらも合わせてご覧になってください。
http://www.111.tv

皆様方からのご意見・ご感想心よりお待ちしております。ご声援はもちろん、ご提案・
ご指摘・ご指導もいただければより、今後の私どもの参考となりますので、どうぞお
気兼ねなくご連絡くださいませ。
どうぞよろしくお願いいたします。



714. お邪魔します mojo  2002/12/20 (金) 12:57
思いもよらずにルナティックの頁に飛んできました。映画に触れ始めた高校時代に唯一いい映画館だと思っていた単館系映画館でした。名画座のようなロビーとそれに反する劇場内を思い出します。今になって上映リストを見てみれば、濃い映画が色々あったのだなという感じです。もっと色々見たかったと思っていたら、ただ知らなかっただけだったようです。とても残念です。いつか松山に立ち寄った際は是非、階段状の青い?座席に身を沈ませに行きたいものです。



713. うつくしいバレエの世界 シキ  2002/12/15 (日) 00:20
こんにちは。シキといいます。

アメリカンバレエシアターの世界 見ました。
な、長い〜。そうか。こんなに長かったのか。。。
そ、そして、途中であれはフィルムが切れたのでしょうか???
うーん。

バレエダンサーたち。なんて素晴らしい。うっとり。
経営は大変そうだ、とかそんなのもちょっと面白かったです。

入れ代わりで客層がすごくチガウのがまたちょっと面白かったです。。。

それでは。失礼いたしました。



712. Re: 今年のベスト10、ついでに去年のベスト3 ヒカル一平  2002/12/14 (土) 12:05
『荒ぶる魂たち』は是非とも今年観たかった1本でしたが、2003年のルナティックに期待しましょう。そして『害虫』は2002年に封切られた幾多の映画の欠点を補(おぎな)って余りある出来でした。塩田カントクの新作が来年早々に松山で観られることはなんとも喜ばしい。
さて、よろしければ皆さんも今年のベストテンないしはベストワンを御披露ください。不器男さんはいかがでしたか?




711. 今年のベスト10、ついでに去年のベスト3 NMG  2002/12/12 (木) 23:20
 1.荒ぶる魂たち
 2.害虫
 3.バーバー
 4.8人の女たち
 5.ゴスフォード・パーク
 6.暗い日曜日
 7.父よ
 8.ズーランダー
 9.怪盗ブラックタイガー
10.クロエ
10.群青の夜の羽毛布
10.ピアニスト

見直すと、まとまりに欠ける順位付けですがこれが私のベストテンです(なお、「アメリ」や「殺し屋1」は私にとっては去年の映画)。ベストテンと言いつつ、10位に3つも挙げるのはどうにも決められなかったから。映画をよく見るようになって、2年になるでしょうか。まだ経験が浅いので、映画らしい映画が記憶に残ります。そして、音楽のいい映画、色遣いのいい映画。因みに、私の去年のベスト3は「アメリ」「愛のエチュード」「ピストルオペラ」です。



710. ベストワンの季節 ヒカル一平  2002/12/11 (水) 23:11
そろそろ巷(ちまた)では今年観た映画のベストテンを決める時期に来たようだ。恥ずかしながら、自分などは到底10本など選べるくらい映画を観てない。だから、せめて量より質でベストワンを密やかに選んでおきたいと思う。映画をドキドキしながら観させてもらったという点で『息子の部屋』『殺し屋1』『サイン』『Dolls(ドールズ)』などがすぐに頭に浮かんでくる。そして、素直にナンニ・モレッティ(『息子の部屋』)よりもM・N・シャマラン(『サイン』)の才能を買いたいという誘惑に抗しきれない気分になる。「映画」とはなにはともあれ「誘惑」だ。初見であったが、シャマランカントクの映画愛が自分にはひたすら心地よかった。



709. 『たそがれ清兵衛』 そして・・・。 ヒカル一平  2002/12/10 (火) 22:50
某映画賞をもすでに手中にし、本年度の邦画ベスト1の呼び声も高い山田洋次監督渾身の時代劇。我がいとしのヒッキーこと宇多田ヒカルちゃんも思わず感涙におよんだと聞き、御老輩と並んで松山シネマサンシャインにて鑑賞。上映前には我が胸中に一縷(いちる)の望みがあった。そして・・・。識者のみならず大衆がこれほど絶賛している映画なのに・・・。うーん。自分には正直全く魅力のない映画だった。いや、最近これほどつまらない映画も珍しい(笑)。無理に否定的な意見を言おうとしているのではないのです。素直に考えても、自分的には★★と1/2★くらいの出来。たそがれ清兵衛を演じる真田裕之が車寅二郎(渥美清)に見えてしかたなかったし、人物の配置やカメラアングルも『寅さんシリーズ』を踏襲してしまっている。もしかして、高倉健さんがもう少し若くて清兵衛役をオファーしていたらまた別の映画にな ったのかも知れない。真田裕之には「清貧のすすめ」を演じるにはチト芯(しん)がなさすぎる。同じ老巨匠でも大島渚カントクの『御法度』のような映画的凄みが欠落していた。いつも山田カントクの大衆迎合(げいごう)主義には辟易(へきえき)とさせられる。もっと映画に「個」を復権させて欲しい。



708. うぅ(;−;) 茶  2002/12/10 (火) 18:20
結局バイトなんかで忙しく、「青い春」みれませんでした・・・。ほんと行きたかったなぁι悔しいです。もうDVD買うしか方法がありません(−−;)レンタルでもいいんですけど、すぐ借りられそうなので。でも期待ハズレだったら損ですよね。。。だれか見た方いらっしゃいませんか?



707. 「水の女」 …期待している人は読まない方がいい… NMG  2002/12/08 (日) 19:03
UAの脱ぎッぷり以外に誉めようの無い映画。
要するに、雨女と放火魔の二人が出会って…(テンテンテン)のお話。
雨女の涼(UA)を「水の女」と形容し、放火魔の優作(浅野忠信)を「火の男」と形容すると、何らかの寓意的なものを―専ら「水」と「火」の、そして「女」と「男」の二項対立として―感ぜざるを得ないのではあるが、この映画自体に、この二項の関係性に言及するようなプロットは最後まで表れない。そして、残る主要な登場人物であるユキノ(HIKARU)と翠(小川眞由美)も二人の「水」−「火」の関係性に影響を及ぼすわけではない(パンフレットでは、ユキノを「風」に、翠を「地」に例え、四元素説に持ち込んでの作品解説を試みるが、本当にそれほどの意義が彼女達にまた作品に与えられているのか、相当に疑わしい)。
何よりも決定的に拍子抜けなのは、最後のありゃお笑いのネタ…(ネタバレになる為、溶暗)。

どうしても裏側の怪しさを感じてしまう事柄。監督はNHKのディレクター出身で、本作品は「サンダンス/NHK国際映像作家賞2001」受賞作。NHKという微妙な共通項。



706. 『プレッジ』  - 映画という名の十字架 - ヒカル一平  2002/12/05 (木) 16:15
 ----- 映画の内容に触れていますのでご注意下さい ------

あまりの凄さにラストのクライマックスで溢れそうになった涙も止まってしまった。物語は危ういばかりに直線的。それに犯人探しのミステリーの要素が加わりつつあったのでイヤな予感もした 。でも、それがじっと我慢できたのはクリス・メンデス(『ミッション』等)の素晴らしいカメラに依(よ)るところが大きい。そして映画が第3コーナーを回ったところからは、ショーン・ペンカントクが予想だにしなかったドストエフスキー的な深淵を見せてくれる。「約束」という意味の『プレッジ』。『プロミス』ではなく『プレッジ』。十字架を突きつけられて宣誓(『プレッジ』)してしまった男の悲劇をまるで喜劇のごとく、つまりドストエフスキーのように撮ってしまうショーン・ペンカントク。自らも過去に地獄を見た者、その背中に十字架を背負っている者だけが、神のように「映画」を撮ることの至福を味わえるのだ、とばかりに。というわけで 、自分的には作品評は★★★★と1/2★でした。



705. 「まぼろし」、わたしも悲劇と感じました(ネタバレあり)。 riddle  2002/12/01 (日) 10:20
はじめまして。こちらに書き込みするのは初めてです。

NMGさんのご指摘に同感です、と、NMGさんの「腑に落ちない」という感想に触発されて書いてます。普段のわたしでしたら「映画のうけとめ方は自由・他者の意見は参考程度のもの」と割り切って解釈の差を気にするひとではないのですが、「まぼろし」に関していえば、パンフに記載されているラストシーンの解釈とじぶんのソレとが180度違うので驚きが激しかったといいますか…とうとうこちらで意見なぞすることになってしまいました(笑)。

パンフでは「マリーの『喪の仕事』が完了した」と解説してますが、予備知識ゼロで観たじぶんにはマリーは「後追い自殺」を決意したようにしか思えなかったのです。作中にウルフの自殺の話も出てきますし…。オゾン監督は「愛の殉教者」のような存在としてマリー(というよりもシャーロット・ランプリング)を「映画の祭壇」に祀りたかったのではないか?、などと不埒なことを考えてしまいました(苦笑)。



704. 「まぼろし」  仮に勘繰るなれば/私が悲劇と見た所以 NMG  2002/12/01 (日) 01:39
>本作品がオゾンカントクの最高傑作との評判を聞く。この程度の
>映画が褒(ほ)め称(たた)えられていることの恐怖。なにか商
>業的な戦略の匂いもするのだが。

「商業的な戦略の匂い」を東京での公開状況から考えるならば、「8人の女たち」の前座或いはコバンザメ商法といったところでしょうか。当初、東京で「まぼろし」を公開していたのは渋谷シネマライズですが、現在では渋谷ユーロスペースに上映館を変え、当のシネマライズでは「8人の女たち」の公開を始めました。「8人の女たち」は、今年のベルリン国際映画祭で主演女優全員が銀熊賞受賞というので話題になった作品。シネマライズの目的がこちらにあったと見れば、この「まぼろし」はオゾン監督の名を先に知らしめるための前座。
そもそも、「まぼろし」の共同製作・配給を手がけているユーロスペースが自らの劇場ではなくシネマライズを封切り館に使うところに、打算を感じます。
…まあ、飽くまで“下衆の勘繰り”なんですが。

*  *  *  *  *  *  *  *

私は、ブリュノ・クレメール演じる〈まぼろし〉が頻繁に観客の眼に見える存在であったことから、最後のシーンを悲劇であると解釈しました。マリーが最後に走るとき、その先には男が一人佇んでいます。観客である私は、まず、「まだ夫の死を受け入れられないか」と考えます。しかし、彼女は男から逸れて通り過ぎ、なおも走りつづけていきます。私は「何だ、今までの〈まぼろし〉ではないんだ」と思います。しかし、直後に「では、さっきの彼女の顔のほころびは、何を見つけたんだ?」という疑問が涌いてきます。そうして、「観客からの可視性すら失った〈まぼろし〉を、即ち絶対的に彼女独りの世界の〈まぼろし〉を追いかけ始めたのではないか」と思い至ります。これは、もう誰にも(劇中の友人にも、“軽い”不倫相手にも、言葉の鋭い義母にも、観客にも)どうしようもない、極めて悲劇的な状況だろうと思うのです。と、ここまで考えて、下に書き込んだ“腑に落ちなさ”に至るのですが。



703. 『まぼろし』 - 才能のカケラすらない - ヒカル一平  2002/11/30 (土) 18:14
----- 映画の内容に触れていますのでご注意下さい ------

老年に差しかかった夫婦が別荘にバカンスに来る。夕刻、夫は薪の材料を集めに林を巡る。朽ちた潅木を持ち上げると下には夥しい蟻の大群が隠されていた。それを見ている夫。・・・フランソワ・オゾン作品は初見だが、このシーンで大体どのようなカントクかが分かってしまった。凡庸(ぼんよう)。夫の失踪の内的動機を予め説明しようとする悪(あ)しき心理主義。失踪に理由づけなどいらない。
それに夫の失踪後、「まぼろし」が登場しすぎ(笑)。夫の「まぼろし」の登場は1カ所でいい。女がサークルで知り合った男を初めて自分の部屋に招いて肉体関係を持ったとき、開いたドアのところにすーっと「夫」が姿をあらわしふと微笑む。「まぼろし」の出現はその一回くらいでいいだろう。あとはシャーロット・ランプリングの一人芝居にさせとけばいい。
『ピアニスト』という映画もそうだったが、この映画の女性は夫との死別によりある種の精神疾患にかかっているのだなと素人ながら思った。だから「まぼろし」も視(み)れるし、彼女の固執的な思考や行動にすべて合点がいく。映画の中で義母も言っていた。「私が養老院に行くよりあんたが精神病院に行くほうが早いよ」と。でも、フランソワ・オゾンカントクよ、素材が卑怯じゃないですかね(笑)。それに映画を撮ることの悦びが画面に全然感じられなかった。逆に映画『サイン』の良さって映画を撮ることの悦びが初々しいほどに感じられたことであったと気付いた次第。
本作品がオゾンカントクの最高傑作との評判を聞く。この程度の映画が褒(ほ)め称(たた)えられていることの恐怖。なにか商業的な戦略の匂いもするのだが。うーん。この程度の映画を決して傑作と呼んだりしてはいけないのだ。と言うわけで、自分的には作品評は★★と1/2★でした(以上、すべて私見です)。



702. 水曜日は映画三昧 ボニ−タ  2002/11/28 (木) 14:06
レディースデーを利用して「まぼろし」観ました。私もラストはどう捉えたらいいのか解釈に困っています。もう少し大人になってから観るべき?とも思ったんですが、自分も映画も曖昧なままです。パンフレットを買ったのに時間がなく読まずじまいなので、じっくり読もうと思っています。それにしてもパンフレット、字が多くてビックリしました…。



701. 「まぼろし」の感想 NMG  2002/11/27 (水) 00:09
下の書込みを見ると、「まぼろし」が松山で公開のようなので、感想。

去年、渋谷ユーロスペースで「焼け石に水」を見たときには…4人の登場人物が並んであまりに唐突に始めるダンスにカウンターパンチを食らったものですが(このダンスは唐突に終わりもする)、この「まぼろし」はかなり静かに進んでいくストーリーで、この作品だけを観ると同じ監督の作品とは思えない出来上がり(「8人の女たち」の公開が続くので、意外性はあまりないのかもしれませんが…)。

私は、この作品の一番最後のシーンの解釈に困っています。それまでは、言葉少なくとも比較的分かりやすい作りだったのですが、最後のシーンだけがどうも腑に落ちないものです。
最後のシーン。厳密に言うならば、何かを見つけたような主人公マリーの顔のアップ、そして、彼女の走る姿。
私は、当初このシーンを“救いようのない悲劇的な状況”として観たのですが、映画評などを読むとその多くが“これからの自身の生に対する希望・覚悟”といった感じで受け止められてます。この差が腑に落ちないのです。私は、何か見逃してしまったのだろうかと。

書いている内容が何のことやら分からない人は(書いている私も、「分かりにくい文だ」とは思う)映画館で観てみて下さい。そして、ご教示願えれば幸い。



700. 初めて利用します ボニータ  2002/11/26 (火) 17:03
近々「まぼろし」を観に行きます。おすぎが推していたのも観たいきっかけになったけど、どんな映画なのかすごく楽しみにしていたので早く観たいです。と同時にルナティックも初利用!友達と予定が合わないのでたぶん1人で観ます。誰かと一緒に観て感想を言い合いたいと思いつつ、1人で観たいとも思いつつ・・



699. 『マイノリティ・リポート』- 素晴らしき居心地の悪さ - ヒカル一平  2002/11/24 (日) 21:56
----- 映画の内容に触れていますのでご注意下さい ------

ストーリーが読めてしまう欠点はあるものの、素晴らしい特撮(CG)技術と完璧なディテールの出来上がりは10年に1本の映画と讃(たた)えていい。これにうねりのある脚本とキャラクターの掘り下げがあれば、もしかすると100年に1本の映画になっていたかも知れない。でもこれは近未来「サスペンス映画」なのだ。たとえどんなに豪奢な「近未来」の衣装をまとっていても、肝腎の「サスペンス映画」の部分をこそ問わなければならない。その意味ではスピルバーグの欠点が見事に露呈されていないだろうか。第一にどうにもこうにも「間(ま)」が悪いのだ。いや、「間(ま)」がないと言った方がいいかも知れない。だから「サスペンス」も弱い。『激突 』や『ジョーズ』では見られていた緩急の溜(ため)の演出はどこにいったのだろう。スピルバーグはいつも素材を選択するプロデューサー的能力は卓越しているのだが、カントクとしては性急(せっかち)になってしまっている。第二にスピルバーグって理性的でありすぎはしないか。もっと映画はヤバくっていいのだが。この点では映画『リターナー』のヤバさ(金城武と鈴木杏の関係性)を思い出す。いわゆる男女の関係にはならないはずの設定におかれた金城武と鈴木杏だが、その精神的な境界線は観る者には不安定に感じられ、そこはかとない禁断のエロスを、つまりは一種のヤバい雰囲気を作り出すことに成功していた。しかし、『マイノリティ・リポート』に禁断のタブーはない。何もかもが人工的に細部まで作り上げられ、隅々までカントクによって理性的にコントロールされている。その点に居心地の悪さを覚えるのは自分だけだろうか。ああ。この点では映画『サイン』の心地良さが思い出される。M・N・シャマランには今のスピルバーグにはない何かがあるように思う。そして、その何かとは「映画」にとって非常に大切なもので、スピルバーグにおいても初期の作品(『未知との遭遇』くらいまで)には認められていたように思うのだが。うーん。果たして『マイノリティ・リポート』は「映画」なのだろうか。ただ救いはラストの反転された一言(セリフ )にあった。スピルバーグは枯れても死んでいないのだ。というわけで、自分的には作品評は★★★と1/2★でした(以上、すべて私見です)。




698. 『イン・ザ・ベッドルーム』 - テレンス・マリックの血族 - ヒカル一平  2002/11/13 (水) 19:03
東北に出張して来ました。福島フォーラムというところにお邪魔して、『イン・ザ・ベッドルーム』(トッド・フィールドカントク)というアメリカ映画を観てきました。いやー。凄い映画でした。まるでテレンス・マリック(『地獄の逃避行』『天国の日々 』『シン・レッド・ライン』)がもう一度処女作として撮ったような映画でした。やっとアメリカにもテレンス・マリックの系譜に繋(つな)がるカントクが出てきたことは喜ばしい。ルナティ ックでも上映されれば良いのですが。





697. 「水の女」 Yuuki  2002/11/11 (月) 23:18
これは僕もぜひ見てみたい作品です。
上映してもらえそうな気がしてたのですが。

上映まで待っている内も楽しいと言えば楽しいのですが。
難しいのかも知れませんが、地方でも
もう少しタイムラグが短くなってくれれば、
と思う時はあったりします。
そうなれば無理してでも今まで見送っていた分も
見に行くのですが。
衣山でもアート系の映画を上映する、とか書いて
ありましたが、あそこのスクリーン(映画の画格に
あわず、スクリーンからはみ出しているのに
平気で上映されている時が多々あります。
これは凄く馬鹿にされている様な気がします)より
ルナティックで見たいのに、と思う作品も出始めている
のでぜひともがんばって頂きたく思います。
(勝手なお願いで申し訳ございません)



696. 私も初めて行ったときは NMG  2002/11/11 (月) 23:04
>茶さん

今夏のことですが、かなり迷いました。立花橋の直ぐ近くに、ポスターをペタペタ貼ってあるビルがあって(サロンキティと同じ建物なので、バンドのポスターが多いです)、その5階です。

目印は…橋とポスター、くらいでしょう。



695. あの。。。 ちあき  2002/11/10 (日) 23:05
『水の女』の上映予定とかは無いのでしょうか?
『水の女』の公式サイトに、こちらの名前があったのですが…。
できれば、観たい映画なんですが。



694. いきなりすいません 茶  2002/11/10 (日) 11:05
あの、シネマルナティックって何処にあるんですか?!地図みてもよく分からなくて・・・。何か目印になるようなものありませんか?



693. 『ゴースト・オブ・マーズ』  ヒカル一平  2002/11/10 (日) 02:53
----- 映画の内容に触れていますのでご注意下さい ------

観終わって奇妙な感覚に捕われた。115分の上映時間。ホントに短く感じた。だから不満はない。他人(ひと)にも是非観ることを薦めたいと思う。しかし、この「軽さ」は一体何なのだろう。いや、もう一度言うけれど、その「軽さ」に対しては一片の不服もないのだ。美女(メラニー・バラード警部補)のしなやかな肢体をこれだけのアクションを通して観せてくれるなんて、ちょっとやそっとで出来る演出ではない。それに、カントク自らが作るヘビーなサウンドがこちらの心拍数をこれでもかと増加させてくれ 、映画音楽というものを久々に聞いたなと感じた。しかし、だ。もったいぶって登場した割には火星人のボスがちと弱過ぎやしね ーか(笑)。特にメラニー・バラード警部補に対しては(笑)。応援サイトにあるように、火星への移民(地球人)VS 先住民族(火星人)をアメリカの開拓史に重ね合わせてみれば幾らか深読みも可能なのだろうが、どうも予定調和的でありすぎるようで。カントク御本人はSF映画+ウエスタン映画を目指したと言われているようで、そうなるとマカロニウエスタンなどには縁遠い自分にはこの「軽さ」のようなものがウエスタン譲りなのかどうかすら判然としない。うーん。正直、人が沢山死ぬシーンには飽(あ)いた。映画で無闇矢鱈と人が殺されると、その無意味さに映画がどんどん希釈されて行くようで醒(さ)めてしまう。できることなら、最初の地球人5人と強ーい強ーい火星人1人のウエスタン映画にして欲しかった。ああ。でも、そうすると『遊星からの物体 X』になっちまうのか。それならば百歩譲って、せめて侵略された火星人の悲愴感を通底させて欲しかった。ゾンビ的描写では火星人が可哀想だ(笑)。悪いのは侵略者(地球人)の方だろう(笑)。というわけで、自分的には作品評は★★★と1/2★でした。




692. 「竜二Forever」上映有難う。 細野辰興 [URL]  2002/11/04 (月) 17:36
金子正次氏の祥月命日の週に「竜二Forever」を上映して頂き有難う御座いました。やっと喉の痞えがとれました。
シネマ・ルナティックの頑張りを東京でも喧伝していこうと思っています。先ずは僕のホームページに書き込みました。

映画は映画館で!! 



691. これから待機中の映画たち ヒカル一平  2002/10/30 (水) 16:48
ルナティック上映作品の更新にも気がつかず、久しぶりに上映スケジュールに目を通した。
フムフム、『青い春』が『父よ』が『まぼろし』が待機している ことを知り心が躍る。それに、ジョン・カーペンターカントクの『ゴースト・オブ・マーズ』なんて橋本支配人の志向性が垣間見られてうれしい。この『ゴースト・オブ・マーズ』を簡単にB級映画と言うなかれ。これぞ知る人ぞ知る、カーペンターの傑作活劇らしいのです。
そして、12月の極めつけは上映リストの下の方に控えめに出ている映画『BALLET アメリカン・バレエ・シアター』(12/14-12/20)でしょう。これってちょっと芸術至上主義のアートシネマのようなタイトルなんですが、実はアメリカンドキュメンタリーの雄フレデリック・ワイズマンの1995年作品。強烈な毒をはらんだ必見のドキュメンタリーに違いないと思います。
・・・と言いながらも、自分は何本観に行けるのだろうか。



690. すでに始まっていたとは、、。 タムタム  2002/10/25 (金) 20:05
そういや、最近映画見てないな〜って思っていたら、リエンテですでに「es」始まっていたんですね。前から見たかったんで、これだけは見に行きたいなぁ〜。衣山CSの「凶気の桜」も見たいっす。



689. 『Dolls (ドールズ)』 - 厳粛な綱渡り- ヒカル一平  2002/10/25 (金) 18:13
自己(おのれ)の感覚にどこまでも忠実であることに妥協しないこと。そうしてそれを一本の映画に仕立て上げること。北野武カントクはその厳粛な綱渡りを渡って見せてくれたのだった。思うに、三橋達也と松原千恵子のエピソードなど笑われるのを承知でないと撮れないのだ。つまり、確信犯的に嘲笑を覚悟で、もっと言うなら「失敗を覚悟」で撮っている気がする。しかし、そこでも北野カントクは自己(おのれ)の感覚にどこまでも忠実であるはずだ・・・。その辺のカントクの心情が興味深い。自分的に深読みするならば、自宅に帰らず外のおねーちゃんたちと遊んでばかりいる北野カントクを家でじっと何十年待っている奥さんへの想いだろうか(笑)。しかし、はじめて日本の紅葉というものを 、その紅の色と光をスクリーンで観た気がした。赤い紐はシュールレアリズムの魔法の杖のように、それで結ばれた男女をひとつのメタファー(隠喩)と化す。だから彼らが風景のなかを通過すれば、そこでは色鮮やかで残酷な愛の物語が奏(かな)でられ始める。音ではなくその色彩で音楽が響き出す。ときにそれは夏祭りの夜に菅野美保のシュールな夢として炸裂する。二人が歩くだけ。なにも起こらない。砂浜。そして、幾つかの印象的なエピソ ード。うーん。『Dolls (ドールズ)』は見事と言っていいほど究極の北野映画だった。そして北野映画の過渡期を強く感じさせ、次が、次回作がどうしようもなく待ちどうしくなるのだった(以上、すべて私見です)。



688. 細野辰興監督の来館決定! yakushiji  2002/10/23 (水) 21:59
11/2(土)から上映の「竜二Forever」の初日に
細野辰興監督が来館されます!
2回目の上映(18:05〜20:10)の後、
トークショウを予定しています。

たくさんの皆様のお越しをお待ちしております。




686. うーん シキ  2002/10/14 (月) 22:08
こんにちは。シキといいます。

私は恋愛映画とは見なかったです。
恋愛映画になるのをぎりぎりで避けようとしてるのでは〜、と
思いました。



685. 「DoLLs」&「サイン」 Yuuki@Linux+ADSLで接続中  2002/10/13 (日) 17:34
「Dools」はまたもや無駄な作品だと思います。
色のこだわりとか衣装の凄さは確かに見えますが
それを生かす演出は相変わらずありません。
しかも、今回は監督のいつもの行き当たりばったり
な演出をどう生かして良いかわからないのでは、
と言う迷いがもろに見えてしまっている気がします。
それぞれの話も特別面白いわけではなく、工夫がないです。
「愛」を描くにも題材を間違えたのでは、としか
思えません。菅野美穂も相変わらず凄いですが、
それを生かす演出がないので一人でがんばっている
のが可哀想です。ただ歩いているだけなんて無駄でしかないです。
ただ衝撃のラストはむしろ笑撃のラストとして一生
心に残るでしょう。
 しかし、風前の灯火だった北野映画がまたあんなでかい
スクリーンにかけられるようになるとは。

「サイン」
これは映画会社の宣伝方法を考え直して欲しいです。
始めにミステリーだと思って見ればあまりにも馬鹿馬鹿しく
思えるでしょう。しかし始めからB級SF映画へのオマージュ
作品だと思ってみればそこそこ良い感じに思えるのでは
ないでしょうか? シャマラン監督自身もあえてどんでんがえし
はなしで直球勝負だと言っているみたいだし、「シックススセンス」の成功を引きずるような宣伝はやめてあげればと思います。
 「アンブレイカブル」も始めからヒーローものだと思って
見ればまあ許せなくはないと思います。



684. 『ロード・トゥ・パーディション』&『サイン』 ヒカル一平  2002/10/12 (土) 14:34
----- 映画の内容に触れていますのでご注意下さい ------

最近話題の『ロード・・・』と『サイン』を観てきました。
まず『ロード・・・』の感想。批評家がこぞって絶賛していますが、自分にとっては平均点の出来★★★でした 。うーん。この映画には何かが非常に希薄(きはく )だと強く思った。それはやはり人間(キャラクター)でしょうか。この映画の話者である少年がまず十分に描かれていないし、ジュードロウ演じるところの変質者など非常に興味深いキャラクターなのにその変質者の内面まで立ち入ろうとしない脚本と演出。妻と子供を殺されたレベンジの物語ではあるが、その妻と子供への愛情はあれくらいの尺数でこと足りるだろうか 。蓄積した怨恨が火を放つ・・・クライマックスは雨のシーンひとつでいい。サム・メンデスって映画作家としてはレベル低いと思いました(あくまで、私見です)。
次に『サイン』。『シックスセンス』も『アンブレイカブル』も未見の自分としてはこのカントクさんは気になる存在でした。「子供だましの映画 」などと酷評する声が色々と聞こえてきますが、自分は『ロード・・・』よりも随分と好感がもてました。人間(キャラクター)が描けている。そして、笑いを誘う少しのユ ーモア。それで満足です。正直言うと中盤以降まで妻を亡くし厭世(えんせい)的になったメル・ギブソンの見ている壮大な夢なのかな・・・と思って観ていたのですが、そうではないと確信した瞬間、つまり宇宙人まで出てきちゃったところで、逆に自由な気分になった。映画とは自由なフィクションである、たとえそれが「子供だまし」であろうとも。M・ナイト・シャマランは子供達の演出も魅力的でカントクの今後に期待して作品評は★★★★。



683. Re: リターナー 見ました ヒカル一平  2002/10/09 (水) 15:08
> ミヤモトとミリ。二人のあいだに通じ合った気持ち、に、名前> をつける必要があるでしょうか?
> あえていうなら、仲間、かなと、私は思います。

『リターナー』って、模倣的SF映画の形を借りた恋愛映画だったのではないでしょうか。



682. Re: ダスト・千年女優・なごり雪 〜物語るということ〜 ヒカル一平  2002/10/08 (火) 10:27
> 最近見た映画。大林宣彦監督の「なごり雪」。某映画誌のレビューには「殺菌されたロマンチシズム」と揶揄された。作り手が男である以上、男性(祐作)の主観に立っている方が、中途半端に女性心理の描写を施されるよりははるかに良いのだと思う。

つまりは、男性こそがロマンチストだと言うことなのでしょう。自分は未見ですが、このような素材を扱って批評に耐える映画を作れるのは大林宣彦カントク以外にいないですね。



681. いろいろな脱出劇 せあ・h  2002/10/05 (土) 22:53
 管理人様、ここを見ている皆様今晩は。
 先日、松山のシネリエンテにて「トンネル」を観ました。1日1回の上映だったのでスケジュールの都合で観られなかったという方もいらっしゃるかもしれませんが、いわゆる「脱出」を扱った作品はやはり緊張感や人間関係のせめぎあいが絡み合うのが面白いなと感じます。あとヒロインのファッションもいいなと思いましたし。

 他にも脱出劇は色々とありますが、一番最初に印象に残ったのは「サウンド・オブ・ミュージック」の亡命シーンです。一番好きなのは最後のシスター2人のやりとりだったりしますが。
 機会があれば、他の脱出劇も色々と観てみたいです。



680. ダスト・千年女優・なごり雪 〜物語るということ〜 NMG  2002/09/30 (月) 22:44
NMGと名乗ります。
以下、ネタバレ注意。

「ダスト」というマケドニアの映画、「千年女優」という日本のアニメ映画。両者はともに、老婆というキャラクタの語りを視覚化し、交錯させるという比較的似通った筋で作られている。そして、両者共に、語る内容が真実であるかどうかなど問題ではないといった姿勢を見せている。

「千年女優」は語り手である藤原千代子の独白ストーリー(語り手が主人公でもある)のため、物語というのは聊か大仰な気もするが、それでも、物語の主役・千代子の“鍵の君”を追う姿が動かぬ軸となっているので、いかに交錯しようとも安心して見られた。
「ダスト」の方は、途中で語り手が交代するという展開に、「これは誰の話なのか?」という疑問が膨らみっぱなしなままに放っておかれる。語り手の世界(現代のニューヨーク)と語られる世界(トルコと戦争している頃のマケドニア)がしっかりと分けられていて、物語の中の物語という構図に期待させられただけに、うまく片付けられなかった(特に語り手の世界がおざなりにされた)感がある。

最後に、最近見た映画。大林宣彦監督の「なごり雪」。某映画誌のレビューには「殺菌されたロマンチシズム」と揶揄されたが、それの何処が悪い。確かに、ヒロイン雪子が、男二人の28年前の追憶と幻想としてしか動かず、以降の彼女の半生やその間の苦楽を物語るシーンが殆ど無いという作りを考えれば、男性中心の物語と化している嫌いはあるが…。しかし、作り手が男である以上、男性(祐作)の主観に立っている方が、中途半端に女性心理の描写を施されるよりははるかに良いのだと思う。この種の映画において、ヒロインの心情というものは、見る側が、不可能ながらも、推し量るべきものなのだろうと思う。

ただ、私は極個人的に、ヒロインの心情よりも、何よりも、最後の号泣が理解できないでいる。あれは、何だったんだろう…



679. 北京の8日間 ヒカル一平  2002/09/26 (木) 23:33
シキさん、Yuukiさん、こんにちは。
レスポンス、ありがとうございます。
自分は上司たちと8日間の遅い夏休みを中国の北京で楽しんで来たところです。
京劇に感動した自分としては『わが愛/覇王別妃』を初めとした中国映画にようやく食指が動いてきたようです。当分、ビデオ屋通いになることでしょう・・・。

で、現在いろいろ観たい映画はあるのですが、『Dolls』(北野武カントク)と『プレッジ』(ショーンペンカントク)は自分的には観逃せません。ルナティックではフルーツチャンの『ドリアン ・ドリアン』に期待しています。



678. ノー・マンズ・ランド Yuuki@今日はWIN98  2002/09/25 (水) 01:19
「アメリ」しかないな、と思っていたのに
それを押さえてアカデミー賞をとった作品
だと言うので見てみましたが、正直あまり
面白いとは思いませんでした。思っていたのと
違うというか、描くべき焦点がどこにあるのか
わからないし、コメディーとか書いてあるけど
全然違うし、重さも軽さもなく戦争というものが
あまり見えてこないんで最後まで見ても「ふーん」
と言った感覚でした。まあ、見て損はしなかったけど。
とらえ方の違いでしょうか?
両軍を衝突させて救出の失敗をうやむやにしようと
するあたりなんて、いかにも、と言った感じで
いただけません。何であんなに世界で受けている
(様に書いてありますね)のか僕には謎です。
(あまりにもふざけた題材のくせに賛美される
「プライベート・ライアン」も未だに謎)
まあアカデミー賞向けと言えば向けな作品ではあるかな。

「アメリ」の方が(題材は違いますが)映画としては
数倍面白いと思うのですが。生きていく勇気もわくし。
アメリカ人にはジャン・ピエール・ジュネの感覚はわから
ないんだな、と改めて思いましたね。



677. 「リターナー」 Yuuki@Linux+ADSLで接続中  2002/09/21 (土) 20:26
特別面白いところもないが、つまらなくもない、
と言う最近よく感じるパターンの映画だと思う。
 確かにキャラは良い。金城武はやはり画になる。
かっこいい!! と素直に思える。
しかし、あれ以上やったら駄目、というリミットを
うまく心得ていた岸谷五郎との対比になる個性が
無いのが惜しまれる。(ハリウッド女優?)鈴木杏
は「ジュブナイル」の普通の役とはまた違って
すごく魅力的に撮れている。
 二人の関係は別にどうって事のない一つの目的を
達する為のただのパートナーだったと思う。変に
それ以上でない所が良いと思う。
 模倣に関しては今のハリウッド映画自体が使い回しの
模倣だらけなのだから、他と比べてどうだということ自体が
無意味だと思う。しかし、収益をより考えなければならない
せいか、メジャーで冒険的な作品が少ないのは、平凡な
感動しか与えられなくて寂しいと思う。
(「メメント」の監督の「インソムニア」はリメイクとはいえ
新しさ全くなしで見ていると眠くなった。パチーノの最後の
台詞もギャグとしか思えないし)
 しかし、「リターナー」に関してはあの宇宙人はどうにか
ならなかったのかと。SFをメジャーにするためでも、もっと
別の設定方法があると思う。世界観ぐらいは全く新しいオリジナル
でいって欲しかった。あの擬態宇宙船はすごく面白かったので
なおさらそう思う。
 (宇宙人といえばあの全体像が見えた瞬間に「金返せ!!」
としかいえなかった「アンブレイカブル」よりもさらに馬鹿馬鹿しくつまらなくなっているという「サイン」を見に行こうかどうか思案中・・・・・・)



676. リターナー 見ました シキ  2002/09/19 (木) 00:34
こんにちは。シキといいます。

ヒカル一平さんの書き込みにつられてミーハーきわまりない発言を。。。

金城くんかっこいいいい〜!!!!
私にもパスタを食べさせて〜っ!!!
とうわけで、とっても大満足でした(^^)

模倣、をしてるところは、それぞれに、クスっと笑って楽しみ
ました。
そりゃあでもやっぱ、マトリックス のほうが断然かっこいいよな〜。
ミッションインポッシブル2 のほうがシビレルよな〜。
ET には個人的になんの思い入れもないので、まあ。しかし
怪我してる。というのに、そんなに振り回して大丈夫なのか〜っ
とハラハラ(^^;
レオン は、大好きですが、あまり似てると感じるところはありませんでした。

ミヤモトとミリ。二人のあいだに通じ合った気持ち、に、名前を
つける必要があるでしょうか?
あえていうなら、仲間、かなと、私は思います。

飛行機の変形シーンは感動でした。
面白い。

パターンどおり、なお話、かもしれない。予想をこえる展開は
なにもなかった、といえる。
それでも飽きずにしっかり楽しめました。
それが映画の力かな。

ではでは。失礼いたします。





675. 映画『リターナー』に問う ヒカル一平  2002/09/16 (月) 13:05
----- 映画の内容に触れていますのでご注意下さい ------

昨日家族で地元のシネコンに映画『リターナー』(山崎貴カントク)を観に行ってきました。で、その感想は? うちの娘に聞くと、「微妙・・・」とのこと。『マトリックス』も『レオン』も『ET』も『インディペンデンス・デイ』もあまり知らない娘の世代には新鮮でありえたかも知れないはずだが。この手の映画は小中学校の子供達の意見が一番素直な評価になると思う。フィルムメイカーたちは彼ら(子供達)のハートを掴まなくてはいけないはずだ。一方、トウのたった大人の自分たちとしては、この映画に関してまず上記のような「外国映画を模倣する才能」の是非が問われるであろう。その模倣する才能を高く評価するものもいれば、逆にそれを屈辱的だと思うものもいたりして。前者は「模倣することからまた新たな創造が生まれ、新しい映画が誕生する萌芽がそこにある」と言い、後者は「この映画にはオリジナリティのかけらもない」と批判する。しかしこの議論の決着は、いみじくもうちの娘が言ったように「微妙・・・」だ。とりあえず、自分は宮本(金城武)とミリ(鈴木杏)の関係性の描写はベッソンの『レオン』よりも数段良かったと言いたい。それは鈴木杏の魅力に負うところが大きい。また、わが家の子供達もその辺ではどうも固唾(かたず)を飲んで観守っていたようだが、エピローグあたりの展開は山崎貴カントクの真骨頂と見た 。
でも、どうなのだろう。トウのたった自分としてはあえて映画『リターナー』に問いたい。宮本とミリの間に生まれた感情は一体何だったのだろう? 「愛」でもなく「恋」とも呼べない二人の関係性・・・。『レオン』をお手本にしたとしても、年齢が少し開きすぎているために二人の気持ちがイマイチ判然としなかったと思う。うーん。たとえ、男女の関係はこの世の未来においても「微妙・・・」なものだったとしてもだ。
自分的には作品評は★★★と1/2★でした。



674. 『鬼が来た!』 - 終わらない映画 - ヒカル一平  2002/09/13 (金) 16:12
------- 映画の内容に触れていますのでご注意ください -------

・・・玉石混淆(ぎょくせきこんこう)。映画は様々な過去の映画の記憶を呼ぶのであろうか。この映画のカントク姜文(チアン ・ウェン)はそのインタビューの中で黒沢明の『七人の侍』ですら本作を撮り終えた後でやっと観た始末であると答えていた。しかし、その語るところの不勉強さは自己韜晦(とうかい )と思いたい。そのことを知らなかった自分は、巻頭の軍旗のはためく音や村の俯瞰図からクロサワの『隠し砦の三悪人』をまず想起し、花屋を演ずる香川照之にしろクロサワ映画の三船敏郎に見えて仕方がなかった。また、村の体の不自由な歯抜けの長老の所作や村人の小屋の中での密談シーン(その陰影のつけ方に)ではどうしようもなくエイゼンシュタインを、ロバと馬の性交シーンにはどうしようもなくクリストリッツァを、最後のターサンが日本人捕虜収容所でナタをもって雨の中日本人を追い回すシーン(この場面では雨のように涙が止まらなかったのだが)にはどうしようもなくチャップリンを想起させられた。いや、ほとんどこの映画はクロサワ映画、いま思い出すだけでも『隠し砦の三悪人』『虎の尾を踏む男たち』『まあだだよ』『影武者』などの映画的断片が散りばめられていると感じた。うーん。これは私の勘違いなのであろうか 。
それにしても、この映画は酒塚隊長(澤田謙也)が登場してから俄然(がぜん)その映画的な輝きを増した。澤田謙也の右翼的な肉体美がそれまでの古典的な語り口に怪しさを、つまりは三島由紀夫的なモダンを吹き込み、一瞬映画が若返ったように感じさせた。そして、あれよあれよと言う間に麻袋を運んできた“私”なるものが一体何者であったかなどはどうでもよくなってしまい、「麻袋の日本人を殺さなかったこと」と「最後に自国の民衆のまえで処刑されてしまうこと」の間に横たわる愚劣さに胸打たれるのであった(以上、あくまで私見です)。
で、自分的には作品評は★★★★★でした。




673. 「活きる」観ました。ついでにバイオハザードも。 タムタム  2002/09/01 (日) 23:47
「活きる」観ました。子役の子がサイコーの笑顔を見せてくれました。家族に降り掛かってくる事件は、どれも耐え難いものばかりのような気がしましたが、それをたくましく、ポジティブに活きる姿に感動しました。食べ物がキーワードみたいに扱われているのも楽しめました。よい映画が観れてよかったです。松山映画祭で再上映されるのも納得ですね。ついでに衣山CSで「バイオハザード」観ちゃったんですが、期待以上に面白かったです。ゲームも2回くらいしかやったことないんですけど、恐さは十分伝わってきました。ネタバレしそうですが、所々にCUBEぽいのは、ありました。衣山CS1番館満員でした。ところで、松山映画祭のラインナップ見たのですが、「アメリ」「活きる」あたりは納得できるのですが、北北西〜はオッケーとして、コメディ部門は何コレ?って感じなんですけど。コメディに「パピネス」いれるくらいのユーモアを見せてほしかったです。(笑)



672. リンチの言葉通りじゃないですかね? Yuuki@Linux+ADSLで接続中  2002/08/30 (金) 00:21
個々の映像を見て凄いな、と感じた感覚を
そのまま受け入れれば良いみたいですよ。
自分が見たことが全てで、人が見たこと(感じたこと)というのはは、物語の説明ではなくて、あくまでその人の意見にすぎない、
と言うことをよくわからせてくれる映画だと言うことではないでしょうか?
感想を聞かれて作品として「意味不明だな」としか言えなくても
個々の面白かった所、凄かった所と言うのは意外と多く
語れると言うことは、自分の中ではすでに理解できている
のではないでしょうか?。おそらく。
まさにリンチの言葉通りと言うことで。

カウボーイとかあの老夫婦はそう言うキャラなんだ、
と思っていれば別に理解しなくても大丈夫、みたいな。
物語を理解しようと言うのではなく、見たものが面白ければ
別にどんなものでも、どんな場面でもそれで良いのでは
ないでしょうか?
個人的には壁の後ろの男が最高でした。
大笑いしました。あの冒頭のダンスシーンもあまりにも
馬鹿馬鹿しくてめちゃ嬉しかったですね。
「いったい何の映画なんだ!!」と突っ込みたくなるし。
 僕は謎めいてはいるが無責任に逃げていない凄く簡素
な展開に、見れば見るほど興味が出てきて久しぶりに
はまりました。僕はあのクラブで歌われる歌が、すべての
主題であり、答えだと思います。凄く良い歌で本当に
聞き入ってしまうけど、これも最後で大笑いさせてくれるのが、
リンチのサービス精神(?)だなあと思いましたね。

 あのインタビューは無意味なことばかりきくので
「理由を聞くこと自体無意味だ」と言う、無価値の質問も
有価値に変えてしまうリンチの感覚の凄さに感心させられる
だけに意味があると言うものですね。8分しかないし。



671. Re: 「マルホランド・ドライブ」 NMG  2002/08/28 (水) 23:43
>  「マルホランド・ドライブ」は
> 「理解するのはたやすいが、理解したと(理解したことを、かも知れません)人に伝えるのは難しい」
> そうで、まさにその通り! やはり凄い監督ですね。

どんなインタビューだったのか知りませんが、私には理解できない映画でした。
個々の映像は凄いなあと思って見ていましたが(ヒカル一平さんも書いていたクラッシュシーンとか、コーヒーを吐き出したりしている静かなシーンとか、「オーランドー」の歌のシーンとか…)しかし、作品としては「????」なので。友人に感想を聞かれたときも「さて、何だろうな、あれは。意味不明だな」で終わらせてしまいました。「前衛芸術だな」とか言っていれば、まだ聞こえはよかったのでしょうが、それでも「意味不明」とさして違いはありません(私の中では類義語)。

詰まるところ、記憶をなくしてた彼女は何者で、あの変な笑いの老夫婦は何で、最初のダンスは何ですか? …インタビューもこんなのだったのかなあ。



670. Re: 「マルホランド・ドライブ」 ヒカル一平  2002/08/27 (火) 02:06
> DVDが出たのでもう一度見てみたのですが、
> 新たなことに気づき驚きました。それは、TV
> の小さな画面だと、音声を5.1チャンネルで
> 再生しても、なぜか、映画館で見た時ほどの面白さ、凄さ
> が味わえないのです。

下り坂を暴走してきたジャンキーたちの車が停止している車に突つこむ導入部のシーンは、映像・音響ともに近年稀に見る優れたクラッシュシーンだったと思います。



669. 「マルホランド・ドライブ」 Yuuki@Linux+ADSLで接続中  2002/08/25 (日) 22:29
DVDが出たのでもう一度見てみたのですが、
新たなことに気づき驚きました。それは、TV
の小さな画面だと、音声を5.1チャンネルで
再生しても、なぜか、映画館で見た時ほどの面白さ、凄さ
が味わえないのです。「当たり前だ」と言われれば
そうかも知れませんが、アクション映画でも今まで
そんなことは気にしたことがなかったのに、この作品
でははっきりとそう思わされてしまいました。
映画館の空間というか、全体の雰囲気にばっちりはまる
映画化なのかも知れません。今更、映画館て凄いなあ、
と思わされました。ルナティックで見ることができて
本当に良かったです。
 リンチ(いつの間にかデイヴィッドと表記するように
決められている・・・・・・)のインタビューも入って
いますが、質問しているのが日本人だと思うのですが
「そんなことわざわざ聞くなよ!」と思わされる質問
内容は情けないです。しかし、リンチの答えは興味深いです。
 「マルホランド・ドライブ」は
「理解するのはたやすいが、理解したと(理解したことを、かも知れません)人に伝えるのは難しい」
そうで、まさにその通り! やはり凄い監督ですね。

 リンチの作品のDVDが続けて出ますが、「DUNE」の画質は
最低でした。(映画っぽいと言えばそうだけど・・・・・・)



668. 『ハッシュ』 - 映画を観ていることが、まるで・・・ - ヒカル一平  2002/08/23 (金) 18:29
-- 映画の内容に触れていますので未見の方はご注意ください --

映画を観ていることが、まるで空気を呼吸しているのと同じくらいの自然さであることに途中で気付き呆然(ぼうぜん)とした。『ハッシュ』はヒトの呼吸のリズムを獲得しえた稀有(けう)な映画だった。これは余程のリサーチと演出力、スタッフ・キャストの並々ならぬ努力の賜物(たまもの)に違いない。カントクが
ゲイかどうかは作品の出来とまるで関係ないのである。しかし、
映画が始まる前にはさすが興味本位で、ゲイのラブシーンをどのように撮るのだろう、当然そこはお茶を濁すんだろうとタカを括 っていたのだが、いやいや、決してハードなシーンではなかったものの、しっかり男同士の抱擁シーンを正面切って堂々と撮っていた。そこにカントクのゲイであることへの自負を感じた。
映画『ハッシュ』の登場人物たちはみな幻想に引き裂かれた人達だった。昔井戸に毒を撒いたことで家族の悲劇を自分が招いたと思いこんでいるカツヒロ。スポイトで妊娠できると思いこんでいるアサコ 。大体、アサコの子供を欲っした動機こそが幻想以外のなにものでもないのだが。それと、執拗にまとわりつくことで男の愛が得られると思いこんでいる事務の女の子。旧家族制度という幻想に縛られている兄嫁夫婦たち。このように歪んだ病理に侵された人達の中で、最も幻想から遠く離れ、確固としていたものはゲイたちの愛であったように思う。うーん。もし、このアイロニー(皮肉)こそが橋口カントクの狙いであったとすればマンマとはまったワケであるし、この映画『ハッシュ』こそはその真の意図に関わらず、ゲイの好感度向上に、はたまたゲイの市民権獲得に貢献することになるだろう。そのことはゲイのカントクにと っても悪いことではないだろう。
だが、だ。ひとつだけ批判をしたい点はある。最後の河原での泣きのシーンはあまりにも唐突で余分であった。なにかあの河原が兄との特別な思い出の場所であったりする伏線がないと、あの場所で突然泣かれても感情移入できない(あくまでも私見です)。あのシーンはこの映画にしては珍しく呼吸が乱れた、つまり作為的であった(あくまでも私見です)。うーん。フェリーニの『道 』や新しくはツァイ・ミンリャンの『愛情万歳』などの影響があるのでしょうね。
長々と書いてしまいましたが、作品評は★★★★と1/2★です。



667. Re: 観てみたい映画「es」エス ヒカル一平  2002/08/18 (日) 23:31
> たびたび、おじゃまします。ドイツ映画で「es」エスという映画に非常に興味を持ちました。映画の舞台は刑務所で、内容は「看守」と「囚人」にわかれて心理実験を行うといった感じのようです。ダークな感じがただよっている所が、とても気になりました。これが、ルナティックで上映されたらウレシイな〜。

HPによるとシネリエンテの上映予定リストに入つているみたいです。ダークな感じ、というよりも自分は図式的な感じがしたんですが...。



666. 溺れる人/詐欺的予告編 NMG  2002/08/18 (日) 23:16
1.溺れる人
======

夏の帰省の折に、初めてシネマルナティックに行きました。
「溺れる人」。東京ではレイトショーのみの公開で、見に行けなかった作品でした。

結局、クミコは死んでいたんでしょうか? それとも、トキオの思い過ごしだったんでしょうか? 思い過ごしだとしたら、話の前後の辻褄は合うみたいですが、自身で覚えているほどにはっきりとしたトキオの「蘇れ!」の言動が引っかかります。
クミコが肉体的に本当に死んでいたのかどうかは、作品の主題ではないのかもしれませんが…


2.予告編のこと
========

東京では、まだ暫く先の事だと思いますが、「まぼろし」「8人の女たち」とフランソワ・オゾン監督作品が公開されます。

私が最初に見た(というか今のところ唯一の)オゾン監督作品は「焼け石に水」なのですが、これは予告編にすっかり騙されました。予告編では男女4人が並んでの珍妙な腰振りダンスのシーンがメインだったのに、実際は…かなり悲劇的なエンディングで。予告編は喜劇、本編は悲劇。印象があまりにも違うのはどうかと思います。
予告編はシリアス、本編はコメディだった…「青い夢の女」というのもありましたが、心の準備が全然出来ていないところにあんなコメディを見せられても、「さて、笑っていいものやら」と暫し困惑してしまうものです。

予告編で本編の魅力全てを見せてしまうよりは、いいのかもしれませんが…。それでも、正反対の印象というのは…。予告編は、作品自体で無いにもかかわらず、作品の見方をかなり左右してしまうものだと思うので。



665. あ。わたしも。 シキ  2002/08/18 (日) 22:41
es を見てみたいと思ってます。
どっかでやるんじゃないのかなあ?




664. 観てみたい映画「es」エス タムタム  2002/08/18 (日) 22:15
たびたび、おじゃまします。ドイツ映画で「es」エスという映画に非常に興味を持ちました。映画の舞台は刑務所で、内容は「看守」と「囚人」にわかれて心理実験を行うといった感じのようです。ダークな感じがただよっている所が、とても気になりました。これが、ルナティックで上映されたらウレシイな〜。



663. バーバー 良かったっす。 タムタム  2002/08/18 (日) 18:49
土曜にバーバー観ました。コーエン兄弟の作品を全部観たわけではありませんが、見ごたえ十分でした。観ている間はストーリーがどう展開していくのかに結構ドキドキしました。もう一度みてもいいな〜とか思ったのですが、上映期間が1週間は、ちと短いのでは?とりあえず、1回スクリーンで観れてよかった〜。



662. Re: ハッシュ ヒカル一平  2002/08/17 (土) 11:38
『ハッシュ』楽しみにしています。
来週くらいには観に行ける予定なので。
それと、どうやらショーン・ペンの新作『プレッジ』がリエンテ
で公開されるようなのでそちらも期待しています。



661. ハッシュ シキ  2002/08/16 (金) 21:58
こんにちは。シキといいます。

ハッシュ 見に行きました。
朝子って身勝手じゃん。わがままじゃん。
それでも、子供がうまれたらぎゅーっっと抱き締める母親になるのでしょう。
でもでもでもでも。
だからって好きにはならないよなあ。
振り回されるゲイカップルが気の毒でした(^^;

しかし一番きたのは、お義姉さん。
彼女の言葉に異を唱えることは難しいと思いました。
彼女の哀しみを、誰がいやせるというのだろう。
男なんてみんな勝手だああ〜。と。思ってみたり。
それでも彼女は、まだその後の人生、新たな道が開けたのかなあ。
障害があるの。といっていたストーカーな彼女が一番怖かった。
どうしたらいいのでしょうね。

いろんな。価値観。
決めつけるなよ、絶対とか。
ということがじんわりときいてくる、素敵な作品でした。

ではでは失礼いたします。



660. エトワール シキ  2002/08/07 (水) 23:32
こんにちは。シキといいます。

かーなり久しぶりにルナティックへ出かけました。
こ、コワイ。下でたむろってる人々が。

ともあれ。
「エトワール」
バレエを見るのは大好きです。
ダンサーのあのうつくしい身体大好きです。
夢の舞台が大好きです。
その舞台裏が過酷な世界であることもなんとなく知っています。
この映画で、いっそう、バレエが好きになりました。
なんて素晴らしい。
そこを支配するのは、圧倒的なる美の世界。
華麗なるオペラ座。
ああ。いつかオペラ座へ出かけていって、舞台を見たい、と。
強烈な魔法をかけられました。
うっとり。

ではでは。失礼いたします。




659. 『猫の恩返し』 ーシネコンとトラウマー ヒカル一平  2002/08/02 (金) 18:01
------- 映画の内容に触れていますのでご注意ください --------
市内にシネコンができたので、早速きのう家族でジブリの『猫の恩返し』を観てきました。父親としてはあの素晴らしい『千と千尋の神隠し』を子供達に観せてあげなかったことを済まなく思っていて、このトラウマはしばらく消えそうもないのです。
で、映画『猫の恩返し』の感想。自分などが言うまでもなくディテールの画筆は申し分なく、子供達はこの映画はヒトが一枚一枚丁寧に描いたものであることを忘れているんじゃないかと思うくらい写実的で透明感のある場面の連続でした。ただし、どうでし ょうか、おそらくこれは原作の弱さから来ていると思いますが、クライマックスの弱さに不満がありました。
まあ、所詮(と言っては失礼かも知れませんが)、人間と猫の〈恩返し〉のお話で『千と千尋』級の感動を期待する方がおかしいのかも知れません。「自分の時間を生きよう」というメッセージも、エンデの『モモ』の焼き直しで古いと思ったし。あまりにも当たり前のテーマを与えられた新人カントクの奮闘ぶり、しかも『千と千尋』の大ヒットの後でコケてはいけないというプレッシャーが手堅く物語を小さくまとめ上げてしまったような印象を持ちました。自分的には作品評は★★と1/2★。
一方、子供達は十分楽しめたようですが、映画のタイトルを『猫の神隠し』と言い間違えて父親のトラウマを掻き回してくれました(笑)。




658. 「タイムマシン」など/映画館事情 NMG  2002/08/01 (木) 23:05
1.「タイムマシン」
==========
タイムマシンを見ました。SFの古典ということで、ストーリーの目新しさなんて期待しようがない、ということぐらいは覚悟して見に行ったのですが…。なにやら特殊効果で誤魔化されてしまったような気がします。特にクライマックスのCGを多用した辺りは、主人公が何をしてどうなったのか、私には今ひとつ理解できませんでした。原作を読んでいない私に非がある?

2.「快盗ブラック・タイガー」
===============
西部劇の恰好をしたコテコテのタイ人が、数十年前の日本なら大量に製作された風なストーリーの劇映画を、ゴッホも鈴木清順も真っ青のとてつもない色遣いで…。画面から発散される妙な力に脂ぎったものを感じた。ただ、私はタイ映画をまるで知らないので、これがこの映画の個性なのか、タイ映画の個性なのか判別できていない。

以上、極最近見た映画でした。


3.映画館事情
=======
松山の映画事情に疎いので確かなことは言えませんが、私は松山で「名画座」と呼ばれる類の映画館を知りません。東京で私はミニシアターと名画座に行くことが多いのですが、特に名画座(入場料が1300円程度で2本立て上映が主)は経済的な面でも嬉しい存在です。
一時、池袋の「新文芸坐」という名画座がロードショーをやっていたことがあり(「ダンボールハウスガール」「みすヾ」「光の雨」の3作)、このときは幾分寂しい思いをしました。今では、以前のように名画座になっているので、一安心。

さて、松山には名画座の名を聞きません。また、ミニシアターと呼べる映画館もシネマ・ルナティックの1館くらいだろうと思います。もっと映画館を!! そうすれば、競争あるいは協力関係ができて、宣伝の範囲も拡大し、客層が広がれば、公開される作品数も、また一作品あたりの公開期間も増やせるだろうに…



657. 『パーマネント・バケーション』 ー処女作の特権ー ヒカル一平  2002/07/31 (水) 15:28
ビデオでジム・ジャームッシュカントクの『パーマネント・バケーション』(1980)を観た。本作品は『ストレンジャーザンパラダイス』(1984)で熱狂的に迎えられたジャームッシュの処女作として、フランス映画社がBest of the World (BOW)シリーズとして配給したものです。
しかし、20数年という歳月が経っている現在では、大学在学中の16ミリ映画ということもあいまって、どうしても未熟な作品である感は否めなかった。つまり、BOWシリーズとしてはクオリティは低く、そういう意味でフランス映画社の先見性(話題性を売る)が褒(ほ)められもしょう。
〈主人公を含めて皆が狂っている〉という設定から、デビッド・リンチの処女作『イレイザー・ヘッド』の世界観によく似ているなーと思いながら観ていた。だたし、『パーマネント・・・』はそのように世界全体を無理矢理に異化しながらも、核心にはジャ ームッシュカントクの苦渋の告白が聞こえた。いっそのこと、リンチみたく、最後に宇宙へ逃げればいんだけども(笑)。
うーん。これは批評を拒絶したところで成立する作品なのかも知れない。つまり、映画の主人公がパリに旅立ったのと同じく、ここからジム・ジャ ームッシュが出発した地点を単に指し示すだけの映画。でも、それこそが処女作の特権ではないだろうか。成功作でもなく失敗作でもなく、単に己を世に見せしめること。クレイジーから出発したという意識。いや、自分には〈クレイジー〉以外にアイデンティティーがないのだという苦渋の告白。だから 、永遠に流浪(パーマネント・バケーション)するのだと。

> NMGさん

はじめまして。また東京の映画状況を教えて下さい。
帰省の折りは、ぜひルナティックへ。



656. はじめまして NMG  2002/07/29 (月) 23:47
はじめまして。NMGと名乗ります。
松山生まれの松山育ちなのですが、映画にハマッタのはつい一年程前。東京で生活を始めてからなので、フォーラム松山もシネマ・ルナティックも、シネリエンテさえも入ったことがありません…

「害虫」
…主演の宮崎あおいという人をこの映画で初めて知りました。でも未だに顔を覚えられません。
下のオオノさんの記述にありましたが、ナンバーガールと櫛引彩香のプロモはどこでも同じようにやっているのですね。私も予告編を楽しみにしている方なのであれは残念でした。

「ピアニスト」
…見た当初は、好感の持てない映画でしかありませんでしたが、その“クセ”が月日の経つごとに増幅し、おそらくこの一年間に見た映画の中で一番印象に残っている映画です(私にとっては)。カンヌでは「息子の部屋」が支持されたようですが、私ならこちらを推したい。

「愛の世紀」
…最近、東京ではゴダールの上映が各所で相次ぎ、私もこの一年の間に何作品か見ました。その中でも「愛の世紀」は、とびきり分かりづらい映画でした。現在がモノクロで、過去がカラーの…ああ私はそれだけで混乱、混乱。何作品か見たゴダール映画の中で気に入ったのは「アルファヴィル」と「未来展望」って、私は単なるSF好き?

以上、この掲示板で話題になっているらしい映画に対する私の雑感です。

松山で上映されるといいなあ(私の友人と話題を合わせられるから)と思う作品。いや、松山で何を上映していて、何を上映していないのかはよく知らないのだけど。
「ヴェルクマイスター・ハーモニー」…私にとっては、鑑賞後に誰かと語りたくなる映画。
「ラ・ジュテ」…「未来展望」と同時に見た古い映画。
「暗い日曜日」…音楽が映画を食ってしまったら、失敗?

夏に帰省した際には、ルナティックに行ってみようかとも思う。どんな映画館なのか、まったく知らないままだから。



655. さようなら、ゴダール。 ヒカル一平  2002/07/27 (土) 01:33
昨日、いやもう一昨日になるのか、喜び勇んで『愛の世紀』を観
に駆け付けたものの、自分にとつて理解不能の展開に屈辱的な思いをしながら帰途についた。
帰り道すがら、でもなぜかこの映画を否定する気持ちは保留されていた。なぜかというに、「いま自分がたとえばロートレアモンの『マルドロールの歌』を一度くらい読んだとして、その作品の真の価値が理解できるだろうか。いやできんだろう。芸術つてそういうものかも知れない。」と考えてのことでした。もしかしてそう考える自分はゴダールという名前に翻弄(ほんろう)されているのかも知れない、つまりはこの映画は元々そんなに大した映画ではないのかも知れないが、『愛の世紀』の作者は映像で、あるいはナレーションの言葉で、あるいはそのサウンドで何かを饒舌に語りかけていた・・・。この映画は全く分かんなかつたが、「ハツタリ」は感じなかつた。むしろゴダールカントクが語りかけてくることが 、どうして自分には理解できないのかが不思議だつた。そこで思いついたのが「芸術」というキナ臭い2文字だつたのだが・・・。普段観る映画は「映画」以外の何ものでもない。
しかし、映画『愛の世紀』は映画以外の何ものかだつた・・・。
昨日、いやもう一昨日になるのか、ここの掲示板に書き込みをしながら、「これは明日もう一度『愛の世紀』を観にいかんといけんな。」とできない約束を自分のなかでして今日、いやもう昨日になるのか、『愛の世紀』は上映を終えた。2度目を観ることなく 。
さようなら、ゴダール。オ・ボワール、ムシューゴダール。
自分は『愛の世紀』を観た。それで取りあえず満足です。いいか悪いかも分からないのですが(笑)。また、御縁があれば、あなたの作品に出会いたい、ムシューゴダール。
次に出会うまでにロートレアモンの詩くらい読んでおきます。あなたが教えてくれるのはいつもそういうことだ。つまり、人生を豊かにすること。それはたとえば娯楽映画だけを観ることではない。「芸術」というキナ臭い2文字のなかに、我々が普段は遠ざけられているその2文字のなかに、本当にかけがえのないもの、つまり『愛』があり、それこそが我々の人生が豊かにするのだということを。





654. ピアニスト シキ  2002/07/26 (金) 22:32
こんにちは。シキといいます。

先日、「ピアニスト」を見てきました。
どよーーーーーん、と、落ち込んだ気分がいまだになおりません。
んでもそれだけインパクトと影響力のある凄い作品なのだろう。。
と、思いますが。
男なんてサイテー。

ではでは。失礼いたします。



653. 『愛の世紀』 - 映画は命がけの芸術/確信犯の映画 - ヒカル一平  2002/07/25 (木) 23:15
『愛の世紀』を観てきました。
非常に楽しみにしていたのですが、映画が始まると同時に自分の考えの甘さを思い知らされました。恥ずかしい話ですが、ストーリーが全く分かりませんでした(笑)。誰が主役かすら(笑)。
でも自分はまだいい方かも。座席が3つ前の女性は映画の開始早 々、後頭部が見えなくなりました。うーん。どうやら熟睡していた模様(笑)。
自分の場合、もうそろそろストーリーの尾つぽを捕まえられるだろうとタカをくくつて観ていたら終わつてしまつた。
そして帰宅後、『愛の世紀』のオフィシャルサイトでストーリーを確認し、ひとり納得。そういう物語だつたのか、と(笑)。
野球の試合で12-0、5回コールド負けを喰(く)らつた気分です。
が、思うに映画つてもつとシンプルで良いのではないのかなー。
こんなことを言うと、映画の中で批判されていたスピルバーグ(=ハリウツド)映画に毒されていると怒られそうだけども。
しかし、あまりにストーリーに関係のないゴダールカントクの思想や哲学が開陳されたり、あるいは思わせぶりな書物(おそらく登場人物のキャラクターと関係しているのでしょう)が登場したりするので、渾沌のなかで物語を見失つてしまう。たぶん、ゴダ ールカントクにとつて映画は何かを探究するものであつて、そこで物語を紡(つむ)ぐものではないのでしょうが。そうか。探究した結果を簡単に見せるのではなく、探究する過程、あるいは探究する作業を見せられるから、観客もキツイのだな。こんなお手軽な時代ではそういう経験も貴重とは言える。
しかし、一度で言いから、そんな夾雑物(きょうざつぶつ)のないゴダールのストレートでシンプルな映画を観てみたい。
夜のパリ、雨に濡れた舗道、そして自動車をこれほどセクシーに撮れる映画作家は他にいないのだから。



652. サンセット大通り ヒカル一平  2002/07/17 (水) 14:44
火曜日の深夜に日テレ系でやっている番組『ろみひー』ってご存じですか?
ゲストの履歴書をもとにしてそのヒトの歴史を振り返るバラエテ ィーなんですが、昨夜たまたまテレビをつけたらトシちゃんこと田原俊彦がゲストで出ていました。全盛期の頃の笑えるエピソードにはこと欠かないようだったが、悲しいかな、見事なほどオーラが消え去ってしまっていた。そして、他のタレント全員がそれを暗黙の了解にしているような雰囲気。惨(むご)い。
うーん。トシちゃんには失礼だが、すでにブラウン管に映っていることすら無理があると感じた。



651. いまさら害虫 オオノ  2002/07/17 (水) 00:48
いまさらですが害虫の感想です。内容に触れてますので注意。

まず愉しみにしている予告編がなくプロモを見せられ
がっくり。まあナンバーガールは好きなのでよいのですが
二曲目が辛かったです。(ナンバーガールがその後サロンキティ
にライブに来たので見に行きました。最高でした。向井最高。)

映画ですが、まずサチ子に感情移入できません。
私は結局夏子派です。夏子ビジョンでしか見れません。
サチ子が一人ふらふらして変な男に目つけられても、母さんの
男に襲われかけても、おっとこ前の先生とイイ仲でも
悪い噂に悩まされても、学校行くの嫌でも。
全然かわいそうとも、なんとも思いません。
サチ子に寄ってくる男達が害虫なのか、サチ子自身が害虫なのか
知りませんが、まったく嫌いなタイプです。
反対に夏子の気持ちは痛い程よくわかります。かわいそ!
先生が男前すぎるのと(私的には肉体関係有りと感じる)
当り屋の少年の人生など、いまいちなとこが多くて
期待して観に行っただけに悲しかったです。

以前皆さんが書いていた夏子たちがサチ子を迎えに行くシーンは
私は、必要だったと思います。最初なんのことか解らずだんだん
分かって「なるほどね」みたいなトコが。

長くなりましてすみません。あくまで性格悪い粘着質な
ヤナ女の個人的感想ですので、あしからずです。



650. 『ピアニスト』 - 誰からも愛されない映画 - ヒカル一平  2002/07/12 (金) 02:34
 ------ 映画の内容に触れていますのでご注意下さい ------

昨日シネリエンテで『ピアニスト』を観てきました。本作は2001年のカンヌ映画祭において、グランプリ、最優秀主演女優賞、最優秀主演男優賞の三冠に輝いています。だだし同年最高位のパルム・ドールは『息子の部屋』でした。
この『ピアニスト』、内容はかなりヘビーな映画とは聞きいていたので非常に興味がありました。で、最初はベルイマンタッチを狙っているのかなと思っていたら、途中からキエシロフスキー(映画『トリコロール』『殺人に関する短いフィルム』など)タッチに転調してしまい、ミヒャエル・ハネケカントクの個性がよく分からないまま終わってしまった(笑)。確かに主演女優のイザベル・ユペールは文句なく素晴らしいの一言。しかし、どうしてもこの映画への嫌悪感が拭(ぬぐ)いきれないのはナゼなのだろう。女性の本質に鋭く触れる、ハネケカントクのある種外科医的なメスの手さばきは見事なものでその点は認めるけれど、この映画を心底愛すヒトは少ないだろうと思った(あくまで私見です)。女性だけでなく男性までも蔑視している、「愛」のない病んだ映画と言ったら言い過ぎだろうか。だから、「誰からも愛されない映画」と呼びたいくらい(あくまで私見です)。
自分的には作品評は★★★でした。



649. 『世界』へ ヒカル一平  2002/07/09 (火) 11:01
今朝目に焼き付いたうれしいYahooニュースを二つほど。
その1:
北野監督「オレの最高傑作」「Dolls」完成
主演・菅野美穂、西島秀俊
北野武監督が監督10作目にして初めて挑んだ恋愛映画「Dolls(ドールズ)」(10月公開)が、このほど完成した。撮影半年、文楽人形をモチーフに日本の四季すべてを映像に取り入れた意欲作で、菅野美穂(24)、西島秀俊(31)の主演コンビに、深田恭子(19)も出演。「この作品で映画が変わるよ」と監督が言う意欲作が、いよいよベールを脱ぐ。

その2:
Gackt&hyde 映画主演で初タッグ!
人気ロック・ボーカリストのhydeとロックシンガーのGacktが映画「MOON(仮題)」(監督瀬々敬久)にダブル主演する。共に映画初出演で、Gacktは共同で脚本にも参加。ロック界では実現していないトップ・ボーカリスト2人の“初競演”は話題を呼びそうだ。



648. 『インディアン・ランナー』 - ショーン・ペンはリスペクトに値する - ヒカル一平  2002/07/02 (火) 18:39
---- 映画の内容に触れていますのでご注意下さい ----

昨夜『インディアン・ランナー』(ショーン・ペンカントク、1991)をビデオで観た。
もとは一昨日、急にジョン・カサベテスの映画が無性に観たくなりTSUTAYAに出向いたのだが、(自分はあまり好きではない)『グロリア』(1990)ぐらいしか見あたらなかった。そこで、『インディアン・ランナー』と『イディオッツ』(ラース・フォン・トリアーカントク、1998)の2本を借りて帰ったワケです。俳優として駆け出しであった頃の、おそらく自暴自棄の生活をしていた頃のペンが自分で脚本を書いて撮った監督第一作。うーん。最近観た映画の中ではずば抜けた出来でした。ビデオで観たにも関わらず『KT』も『害虫』も足元にも及ばないと思った。想像をはるかに越えて魂を鷲つかみにされ、深夜一人で泣いていました(笑)。特にあの素晴らしい距離感。映画の前半で再会した兄弟は雪の積もった町をドライブする。不良の弟が車を止めさせ、雪の積もった丘に上がり、遠くの兄に向かって雪玉を投げたりする。それがラスト近くのクライマックス、兄弟の衝突のシーンでギリギリまで近づき睨み合う2人。兄弟を隔てた物理的距離が心理(=サスペンス)を作り出す。ある意味でテクニックを捨てたヒッチコックだ(こんなアツイ映画でヒッチコックを持ち出すヒトは自分以外にいないでしょうが)。で、さめざめと泣いたあとでラストのクレジットタイトルを観ていたら、「この映画をジョン・カサベテスに捧げる」と書いてある。ジョン・カサベテス+ヒッチコックか。うん、そんなテイストは確かにした(あくまで私見です)。なんと最強のコンビネーションだろう 。だとすると、作品評★★★★★も自分的には当然。



647. Re: 始めまして♪お邪魔させていただきます♪ ヒカル一平  2002/06/30 (日) 01:05
7月6日からルナティックで公開される『ムッシュ・カステラの
恋』はセテラ・インターナショナル配給。そこで思うのは、東京などでは今日から公開された燻し銀(いぶしぎん)のフランス映画(らしい)『父よ』(ジョゼ・ジョヴァンニ監督)も同社配給であること。これはゲットできることを意味するのでしょうか?
あと、いま最も気になる映画といえば、『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(タル・ベーラ監督)。2時間25分という上映時間をたった37カットで成立させているらしい。うーん。これなどは自分がとやかく言うまでもなく橋本支配人御本人が黙っておれないでしょうね。

> ゆりあさん

こんにちは。「everybody loves sunshine」って映画の日本語のタイトルは何でしたっけ?




646. 始めまして♪お邪魔させていただきます♪ ゆりあ  2002/06/29 (土) 12:23
始めまして♪こんにちわ♪

学生の頃はよく、映画を観に行かせていただいてました!!
好きになった映画は、3回観たりもしてました!!!
「everybody loves sunshine」がいまだに私のNo1映画です!
社会人になってからというもの・・・。なかなか行けず、
泣く泣く見逃した映画が多数あります(TT)
「アンコール上映」や「ルナティック通信」が24時間いつでも
取れるところに置いてあること、このサイトでも上映リストが
アップされていること、時間がなかなかとれない私のような
人には、とっっっっっても大助かりです!!!
これからもゼヒゼヒ続けてください!!

アラン・リックマン主演の「シャンプー台のむこうに」は
今後、上映されるのでしょうか???
かなぁ〜〜〜り観たいのですが・・・・ムリですか???(^^;)



645. 自殺サークル(バレ?) Yuuki  2002/06/28 (金) 22:57
物語としては決着付いていないと言うか
まあありがちなものに終始していたのは
残念でした。自殺方法もどこかで見た様なものだし
(死に至る方法は「催眠」の方が工夫されてるし)
、サスペンスとしては犯人的にもTBSドラマ
「QUIZ」の方が衝撃的だし。後、一番残念なのは
恐らく一番大切と思われる血糊が凄く嘘っぽい
事です。まあ、一番凄いなと思うのはやはり
「深夜の新宿駅で54人の女子高生が手をつないで
集団自殺を遂げる」と言う発想につきますね。
ただ、映画にその惨状の場面が無いのは
どうかと思います。資金がないとか視覚的に
どうのこうのと言うよりも恐らく撮る方も
どうなるのか想像付かなくて入れられないんじゃないのかな、
と。「大阪城の天守閣から200人の女子高生が
飛び降りた」はギャグにしか聞こえず思わず
吹き出してしまいましたが。
「殺し屋1」って、パイオニアのDVDの
宣伝物見るとこれより遙かに残虐そうなんですけど・・・・・・。
見てみたい気もしますが、三池崇志は僕個人的
には少しも面白くないんで悩む所です。



644. 自殺サークルを観ました。 せあ・h  2002/06/27 (木) 19:25
 管理人様、ここを見ている皆様こんにちは。
 先ほど「自殺サークル」を観てきたのですが、「殺し屋1」以上の残虐シーンがけっこうあり、思わず声が出てしまいましたが、現実とネットの踏み越えてはいけない境界を踏み越えちゃった・・・みたいな印象を受けました。
 あと、ROLLYさんがもっと活躍してくれればなと思いましたが、三坂知絵子さんはどこに出演していたのかが気になっています。

 



643. 『降霊』- 幽霊のリアリズム - ヒカル一平  2002/06/24 (月) 18:37
---- 映画『降霊』の内容に触れていますのでご注意下さい ----

先日大島渚カントクの『少年』を観たいと思い、近くのTSUTAYAに出かけた。広い店内をあちこち探し回ったが見つからず、落胆しかけたところに黒沢清カントクのテレビ放映用の映画『降霊』(2000)のビデオが目に留まった。そばに傑作『回路』(2001)が並んでいたことは言うまでもありません。しかし、最近のビデオ屋サンには大島カントクの作品群すらまともに置いてないと思うと嘆かわしいです。ちょっと前に小津安二郎の『晩春』を借りにいったが置いてなかった。ひと昔まえのビデオ屋には小さな店であっても古今東西の名作は揃えていたものでしたが。で、『降霊』を借りて帰ったわけです。この映画はテレビ用に撮られたもので、東京ではレイトショーなどで劇場公開され高い評価を得ています。うーん。この『降霊』は見事に次作『回路』のたたき台になっていました。どうも海外ミステリー小説が原作となっているようなので、ストーリー的には首を傾げるところもあるのですが、黒沢清カントクは色々な映画的実験を試みています。その最たる点は「幽霊の歩き方、移動の仕方」の演出です。残念ながら『降霊』ではそこのところが上手くいっておらず、幽霊はうつ伏せに這ってくるか、遠くをエスカレーターに乗っているように(笑)横移動していくという演出をされていました。それが『回路』になると幽霊がゆっくり体を横に振りながらこちらに歩いてくる見事な演出に変貌します。それがホント怖かったのですが、今回『降霊』を観て『回路』の成功は『降霊』における試行錯誤が結実したものであったことを知りました。まあ、作品評は★★★くらいでしょうか。まだ未見の方には『降霊』→『回路』へとトライされることをお勧めします。でも未だに肝心の『少年』は見つからないのですが・・・。



642. 「男・性」の不在  ヒカル一平  2002/06/21 (金) 18:12
今年観た映画で『リリィシュシュのすべて』と『害虫』はともに10代の思春期を描いている。自分は未見だが、『まぶだち』も時代設定はすこし過去に遡っているかも知れないが同様に思春期のアイデンティティーをめぐる物語らしい。そこで、特に『リリィシュシュのすべて』を観終わったとき強く感じたのは、映画の登場人物に「大人の男」が欠けていたことだった。『りリィ・・・ 』においてはとりあえず主人公の男子がいて、その周りに男友達や女の子が配置されているわけだが、それぞれの家庭はすべてが母子家庭と見まがうほど母親やその姉しか姿を見せない。では学校生活をどのように描くのかなと思っていたら、担任の先生は女性教諭であった。『リリィ・・・』には「大人の男」が出てこない。これは何を意味するのだろうと帰り道考えていたのだが、自分の一つの結論は「岩井俊二カントクの逃げではないだろうか」ということだった。『リリィ・・・』はあくまで同世代での葛藤を描いた点で非常に平面的な映画であったように思う。そこに「大人の男」が登場することによって異世代間での葛藤が生じ、『リリィ・・・』の目指した14歳のリアルな世界が損なわれてしまうと考えたのではないかと。しかし、それではあまりにも世界が女性的、中性的でありすぎはしないかと思う。その点では『まぶだち』はスパルタ男性教師対生徒という図式があるみたいで多少救われる。映画の出来はともかく、そのほうが健康的な世界だろう。で、映画『害虫』はどうであったか。『害虫』にはかろうじて「大人の男」が存在した。それは、精神薄弱の中年男や文通相手の先生や母親の彼氏や最後に出てくる怪しい男ではなく、「おっ、塩田カントクは「大人の男」を出しているぞ」と自分がイタク感心したのは、中学校の理科の先生が男性であった点でありました。だからと言うわけでもないのですが、自分は『害虫』の方を支持します。でも、『害虫』のクラス担任は女性教諭でしたが(笑)。女性教諭って今ではそっちのほうがリアリティあるのだろうか。うーん 。長くなりましたので、この辺で終わりにします。自分が言いたかったこと、感じたことは要するに映画カントクの腹(はら)の据わりかた、その姿勢であります。



641. 少林サッカー タムタム  2002/06/20 (木) 21:36
衣山CSで少林サッカー観ました。ビール瓶で、ボコボコ頭殴るシーンだけは、チョットやりすぎじゃないのかと思ってしまいました。私としては、全体的に露骨に反アメリカ映画的なシーンが多くて、メジャー映画のパロディーだろうなぁ〜って感じました。でも、なんとなくそんな気分で観ていても、結構、素直に笑える映画でした。ワールド カップに合わせて上映するところがウマイですねえ〜。ついでに衣山CSで「アリ」も観ちゃいました。アリ ボンバイエ が元祖でイノキ ボンバイエなん?とか考えちゃいました。あの映画をみてモハメド アリについていろいろ知りたいな〜という気分になりました。

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