腰折山214m
恵良山302m


 正月三が日明け、山歩に出かけた。向かった先は旧北条にある腰折山214mと恵良山302m。この日は快晴で石鎚山に登れば絶好の日だったのだけど、例年より雪が多くリスクも高いので、手頃な山を選択。以前から気になっていたが登る機会がなかった山だ。
 腰折山の北東面は岩稜となっていてロッククライミングのゲレンデとなっている。
 腰折山は、エヒメアヤメの自生南限地として有名。

 以下は、エヒメアヤメの由来について松山市のHPから引用
      山路来てゆかしとみしはかきつばた  鳴雪
 こかきつばたの名でこのように歌われた腰折山の可憐な花は、こかきつばたとは別種の牧野富太郎によって命名されたエヒメアヤメである。エヒメアヤメはアヤメ科の植物であって、根茎はやや偏平で細くやせ形、葉は線形で薄く、葉長は10cm〜15cmが普通である。
 陽春四月上旬を開花期とし、数cmの高さの花軸に普通1花を、時に2〜3花を咲かせる。花色はうすい紫色で外花蓋がいかがいには黄白色のはん点を持っている。
 元来大陸北部に分布する植物で、我が国では中国、九州、四国の瀬戸内海に沿う各地に生育し、古書に「たれゆえそう」と名づけられたと記録されている。 腰折山はその南限地として世に知られ、古くからこの花にまつわる哀れな民話とともに、「こかきつばた」の名で親しまれてきた。
 昭和43年(1968年)、宮崎県えびの高原霧島盆地の自生が最南限にあたるものとして追加指定をうけ、エヒメアヤメ自生南限地帯は2県以上にわたるものとされている。  


ルート図
国道196号線から見た左が腰折山、右が恵良山。鎌大師を過ぎた道路の路肩に駐車。先客(手前の車)がいた。
登山口への案内標識。登山口、エヒメアヤメの由来が書かれた標識が立っている。
エヒメアヤメの由来エヒメアヤメの自生地、はげ山状態になっている。理由を調べてみると。「本種は明るい場所を好む陽生植物であり,森林が発達したり,周囲の植物が繁茂すると生育できないため,十分な管理が必要である。」ということで、地元の人たちが手入れした状態なのだ。
 右手前のまっすぐ続く道を行くと、ロッククライミングのゲレンデにたどり着くはず。
気持ちの良い明るい山道をジグザグに上がっていく。
中腹の見晴らしの良いところで休憩。旧北条市内と瀬戸内に浮かぶ鹿島が見える。エヒメアヤメと思ったが、葉の形が全然違う。
もう一つ可憐な花を発見。すみれの一種か?手入れされた「はげ山」が過ぎると一転、こんな道になる
自然林の明るい登山道またまた野草の花を発見。
頂上はこんな感じ、笹が生い茂っている。対面に恵良山が見える。縦走路があるようだが、荒れていて明確でないので一端下山する。
山頂から鹿島がくっきり。

 恵良山の山頂には恵良城がかつて存在した。今は名残りの恵良神社が残っている。いわれを調べてみると以下のとおり。
 築城年代は定かではないが治承5年(1181年)以前に河野氏によって築かれたと云われる。
 治承5年(1181年)河野通清が源氏に味方して高縄山城に挙兵するに及んで、備後国の奴可入道西寂が大軍をもって押し寄せたので、通清は日高・高穴・恵亮(恵良)の砦を守らせて防戦するも賓兵敵せず落城すると「河野家譜」に記されているという。
 暦応4年(1341年)伊予宮方の土居通世が恵良城に籠って武家方の河野通盛と戦った。
 室町時代には得能氏の支族得居氏の居城となるが、天文年間(1532年〜1555年)頃より来島村上氏の勢力が伸び、得居氏は村上通康の子通久を養子に向かえた。元亀3年(1572年)毛利氏の攻撃によって落城したが、豊臣秀吉による四国征伐の後も得居通久が三千石を領して居城した。しかし、関ヶ原合戦で来島氏は西軍に属して豊後国森へ転封となったため廃城となった。

最明寺への小さな道標、見逃さないように。近くに学校がある。登山口への入り口、民家の庭に入るようで気が引けるが、車でどんどん上がって行く。
カーブのふくらみのところで広場があったので駐車。実はこの先少し行くと恵良神社下に広い駐車可能な広場があった。駐車したところから、さっき登った腰折山の北東面のロッククライミングゲレンデが見えた
恵良山登山口となっている恵良神社。鳥居の奥から登って行く。
恵良城の由来の書かれた標識自然林の登山道、腰折山とは趣が全然違う。
高度が高いので瀬戸内が広く見渡せる。
腰折山と瀬戸内を行く貨物船
山頂手前にある恵良神社本殿。ここにかつてお城が築かれていた。本殿の奥にある鳥居をくぐり山頂へ向かう。
こんなところを歩く。鎖場もある。
頂上に立つ祠、結構大きくて立派な祠恵良山と書かれた銘板、水仙の芽が出ていた
三角点三角点を回り込んだところの最高点にある石積み
北西方向に瀬戸内
北東方向に、右高縄山、左北三方ケ森が遠望できる。


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